著者
孫 珠煕 李 珠英 西丸 広史 堀 悦郎 西条 寿夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.344-357, 2022 (Released:2022-07-01)
参考文献数
22

本研究は「日本男女大学生の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対する認識及びマスク着用行動」について明らかにすることを目的とした.(1) 男女群の比較 (t検定) では27項目中, 12項目に有意差が認められた. 12項目のうち11項目は女性の平均値が高かった.(2) 「市販マスクのつけ心地」は, 女性の約4割が「良くない」, 男性の3割が「良い」と答えた (p<.001). 「マスクのつけ心地のよくない部分」は男女共に「耳ひもをかける部分」が約4割であった.(3) 構造方程式モデリングを用いた全体 (n=252) の解析では, 『日常生活の変化』は, 『社会との距離』 (パス係数 ; 0.68), 『コロナへの危機意識』 (0.29), および『マスク性能情報』 (0.24) に関連していた.(4) SEMにおける男女集団同時分析では, 男性では, 『日常生活の変化』は, 『社会との距離』 (0.50), および『コロナへの危機意識』 (0.30) に関連していた. 女性では, 『日常生活の変化』は, 『社会との距離』 (0.85), および『マスク性能の情報』 (0.39) に関連していた. 以上より, 男性より女性において『日常生活の変化』がマスク着用を含む行動に及ぼす影響が強いことが示唆された.
著者
小野 幸一 孫 珠煕 宮武 恵子
出版者
ファッションビジネス学会
雑誌
ファッションビジネス学会論文誌 (ISSN:13489909)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.57-66, 2010-03

ファッションを学んでいる女子学生を対象に意識・行動に関してアンケート調査を行い分析した結果、名古屋、京阪神、九州の3地域には地域性があることが明らかとなった。1)一か月のこづかいは、名古屋、京阪神では約4万円であるが、九州では約2万5千円である。被服費として名古屋、大阪で約半額の2万円、九州では約1万円支出している。2)定期購読ファッション雑誌では、名古屋はギャル系ファッション志向が強い。京阪神、九州は元祖赤文字系、ストリート、モード系の各志向の雑誌が読まれている。九州での1位はヤングベーシック系non-noである。名古屋、九州での憧れの女性有名人第1位はギャル系の象徴である浜崎あゆみであるが、九州ではTOPlOには入っていない。3)好きなへアースタイルでは名古屋がボリュームのあるゴージャスなスタイルの割合が高い
著者
孫 珠煕 馬場 弘朗
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.157-174, 2016-10-25

This study used printed questionnaires to survey university students(n=348)to understand the impact of young people's values on their fashion behavior. Its findings showed that when self-reporting their jacket size, about 60% of males reported wearing size L or larger, while about 30% of females reported wearing size L or larger. There were few statistically significant differences by gender on assessed average scores for value items, and the three factors of I. Assertiveness/Self-esteem, II. Need for Approval, and III. Negativity/Fatigue were identified. Statistically significant differences by gender were apparent for many fashion behavior items. Structural equation models having strong fit were identified for both values and fashion behavior. Young persons who were more assertive and had more need for approval in analysis by value type(four clusters)tended to be more assertive in their self-expression through fashion behavior. On the other hand, many of the young people were passive in their values and uninterested in fashion behavior. These findings suggest that young people can develop assertive values by being given opportunities to take an interest in how they dress.
著者
孫 珠煕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.27-36, 2018 (Released:2018-02-23)
参考文献数
29

Factor analysis was used to examine the structures of “dressing behavior when wearing yukata (casual kimono) ” and “yukata preferences.” For this purpose, 309 female students were asked to answer 35 questions about their yukata dressing behavior and preference among 18 different yukata. The analysis extracted five factors for the “behavior” and seven for “preference.”  Next, a positioning map was used to visualize women's yukata two-dimensionally: “modern vs. classic” and “colorful vs. quiet color combinations.”  For a more comprehensive perspective, women were classified into five clusters based on their “preference” factor scores and the characteristics of each group's “behavior” were examined. The results indicated that women who preferred modern image yukata (64.4%) were affirmative and had high factor scores for “uplifting feeling” and “freely selectable yukata” under “behavior,” while women who preferred yukata with classic, subdued-color image (35.6%) had five low factor scores under “behavior.”
著者
孫 珠煕 中嶋 史央里
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<br><br><b>目的</b> 温泉浴衣はTPOでみると、温泉宿で着る館内着であり、集団で着る制服でもある。晴れの場で着る浴衣に関する研究は多数あるが、温泉浴衣に関する研究は殆ど見当たらない。2020年は東京オリンピックが開かれ、温泉浴衣は若者や外国人に気軽に和文化体験できる機会となるのではないか。本研究では、好みの温泉浴衣の類型化にみる装い行動を明らかにする。<br><br><b>方法 </b>温泉宿で貸し出しサービスをしている温泉浴衣30種類を対象に、好きな浴衣を複数回答で選んでもらった。次に「好きな浴衣」の因子分析を行い、その因子得点を基にCluster分析を行った。「装い行動」測定尺度(38項目、6件法)は因子分析を行い、各Clusterにみる装い行動を可視化した。対象者は温泉宿利用客515名・若者375名の合計890名である。<br><br><b>結果 </b>女子好みの女性・男性浴衣、男子好みの男性・女性浴衣をポジショニングマップにより「現代的なー伝統的な」「はなやかな配色ー渋い配色」で可視化した。また、「好みの浴衣」は7因子、「浴衣の行動」は5因子が得られた。女子の「好きな浴衣」を基に5クラスターに類型化した。現代的なイメージを好む女子群(64.4%)は装い行動の「高揚感」「選べる浴衣」に因子得点が高く、肯定的であった。一方、伝統的で渋いイメージの浴衣を好む女子群(35.6%)は因子得点が低く、否定的な傾向が示唆された。(JSPS KAKENHI JP15K00749)