著者
岩屋 隆夫 松浦 茂樹 望月 誠一
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.44-67, 2009

扇状地河川の一つ、富士川右支川釜無川の扇頂左岸に築堤されたのが著名な信玄堤である。この信玄堤を原型とする釜無川左岸堤は、明治29年の洪水で建設以来、初めて破堤した。当該水害の問題点などは、既に岩屋が明らかにしているところであるが、この明治29年の時点で、釜無川左岸堤は、既に連続堤防となっていた。では、不連続堤また霞堤の代表格として各種論文等に記載されることが多い釜無川左岸堤は、どのような理由で連続堤防へと変貌したのか。本論は、かかる釜無川左岸堤の連続化の築造経緯を明示することによって、富士川明治改修の特徴を明らかにする。信玄堤の連続化の経緯等は、これまで明らかにされたことが無いから、この点において本論の意義がある。

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