- 著者
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川崎 寛也
笠松 千夏
野中 雅彦
Thomas Arnaud
Schlich Pascal
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.29, 2017
【目的】 飲料や食品を一食分摂取する間に知覚される官能特性は経時的に変化し、その摂取物に対する嗜好や飽きに影響すると考えられる。そこで、市販スープをベースにして、知覚される官能特性に違いを持たせた複数の試料を用い、一食摂取条件で、複数官能特性の経時的変化を1回の評価で捉えられるTemporal Dominance of Sensations(TDS)法と嗜好(liking)および飽き(satiation)との関連を解析し、嗜好と飽きに影響する知覚経時変化の要因を探索した。<br />【方法】 フランス人消費者84名を対象とし、一食摂取条件におけるTDSとlikingおよびwanting(satiationの対義)の時間的変化をTimeSenscにより計測した。サンプルには、市販野菜クリームスープにうま味としてのグルタミン酸ナトリウム(MSG)、脂質としての生クリーム、野菜風味としての野菜ペーストをそれぞれ1%、10%、1%添加したスープを用いた。<br />【結果と考察】 一食摂取する条件でドミナントに感じる味・風味要素のTDS、liking、wantingの時間的変化を得た。また、摂食前半、中盤、後半と全体でlikingおよびwantingに影響を与えるドミナントな味・風味要素(Temporal drivers of liking、Temporal drivers of wanting)を知るための手法を構築した。本手法により一食全部摂取する条件において、味風味の印象がどのように変化するか、後半に嗜好性が低下した場合の要因等を広く考察すること等が可能となった。