著者
遊間 義一
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.15-27, 2011

<p>CantorとLand (1985) の理論(C-L理論)及びGreenberg (2001) と遊間 (2009) の数理モデル (G-Y model) に基づいて,日本の少年による殺人事件発生率 (HR) の原系列に対する完全失業率 (UR) の犯罪動機効果(URの一階の差分によって測定される)と犯罪機会効果(URの原系列によって測定される)について,1974年から2006年までの年次時系列データを用いて検証した。その結果,中間少年及び年長少年の両群において,URの原系列とHRの原系列は共和分関係(長期的均衡関係)にあることがわかった。また,誤差修正モデルにより,短期的な関係においても,URはHRを促進することがわかった。G-Yモデルにより,これらの結果を総合すると,中間少年においても年長少年においても,犯罪機会効果は,C-L理論とは異なり,正で有意な犯罪促進効果を有しており,犯罪動機効果は年長少年にだけしか認められなかった。これらの結果について,日本で少年の殺人事件が発生する状況と,米国との違い及び犯罪動機効果のタイム・ラグという観点から考察を行った。</p>

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