- 著者
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眞嶋 良全
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2017, 2017
超常現象や疑似科学等の実証的根拠を欠いた事物の信奉 (empirically suspect beliefs; ESB) に関する先行研究では,ESB は分析的で熟慮的な内省的思考により抑制されること,分析的認知スタイルの持ち主はESBを持ちにくいことが指摘されてきた。しかしながら,日本人参加者を用いた先行研究では,直観的認知スタイルの方が信念をより良く説明すること,さらに分析的認知スタイルは,むしろESBを高めることが示されている。本研究では,日本および西洋文化圏の参加者を対象に,論理的推論やニュメラシー等の認知能力指標,直観および分析的認知スタイル,その他の人格・思考特性がESBをどの程度予測するかを検討した。その結果,認知能力および分析的スタイルではなく,直観的スタイルが信念とより強く関連していることが示された。また,ESBに対する媒介変数の影響は文化によって異なることが示された。