著者
宮澤 楓 島田 将喜
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.153-162, 2017
被引用文献数
1

ヤンバルクイナによる台石を使用したカタツムリの殻の割り方と殻の割れ方の対応関係を,行動の直接観察と殻の割れ方の分類によって明らかにした.沖縄県国頭村にて,センサーカメラをもちいた行動観察と,カタツムリの殻の採取を行った.動画内で識別された4個体すべてから地上に露出した石に,カタツムリの殻口を嘴で咥え保定し繰り返し叩きつけて殻の反対側を破壊し中身を食べるというパタンが観察された.台石使用行動はヤンバルクイナにとって一般的で定型化した採餌行動と考えられる.採取されたカタツムリの殻の割れ方は4つのタイプに分類されたが,うち大多数を占めるType 1と,Type 2はヤンバルクイナによる食痕の可能性が高いことが示唆された.クイナ科の系統でこの台石使用行動が直接的証拠により確認されたのは,ヤンバルクイナが最初である.台石使用行動は,丸飲みは不可能だが常時利用可能性の高い大型のカタツムリを採食可能にするという機能をもつ.

言及状況

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CiNii 論文 -  ヤンバルクイナは台石を使用してカタツムリを割る https://t.co/bqTrhXuWRi

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