- 著者
-
長谷川 伸
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.154_2-154_2, 2017
<p> 本研究では投球速度の異なる野球投手の筋厚を比較し、高い投球速度を示す投手の形態的特徴を明らかにすることを目的とした。2016、2017年の春季オープン戦に登板した投手を対象に全投球の球速上位20%の平均値を算出し、140km/h以上を高速群(n=7)、130km/h未満を低速群(n=9)として抽出した。筋厚測定には超音波診断装置を使用した。撮像部位は両側の前腕部、上腕部(前・後部)、胸部、腹部、側腹部、肩甲棘部(上・下部)、肩甲骨内側部・肩甲下部、腰部、臀部(後・側部)、大腿部(前・後部)、下腿部(前・後部)であり、これらの17部位より29筋を測定の対象とした。部位別の比較において高速群では投球側の前腕部、腰部、臀部、大腿後部、下腿後部、非投球側の腹部、側腹部、大腿前部、臀部、大腿後部、下腿後部において低速群よりも高い筋厚を示した。また、筋別の比較において高速群は投球側の脊柱起立筋、大殿筋、大腿二頭筋、腓腹筋、非投球側の腹直筋、内腹斜筋、脊柱起立筋、大腿二頭筋において低速群よりも高い筋厚を示した。これら結果より投球速度の高速群では体幹、下肢筋群の発達が顕著であることが示唆された。</p>