- 著者
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中山 紗織
會田 宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.218_3, 2017
<p> 本研究の目的は、小学生年代における日独トップレベルのチームを対象に、記述的ゲームパフォーマンス分析を用いて、セット局面における攻撃および防御活動の特徴を明らかにすることであった。分析対象試合は、日本は全国小学生ハンドボール大会での10試合、ドイツはザクセン州U10大会での試合を含む11試合であり、いずれも日独両国内の最高峰の試合であった。分析結果を日独両国間で比較した結果、日本チームは攻撃においては、セットオフェンスの導入局面でポジションチェンジ等のチーム戦術を用いることがドイツチームより有意に多く、防御においては、フリースローライン内で消極的に位置を取ること、ボールの方へ寄って守ることが有意に多かった。ドイツチームは攻撃においては、1回の攻撃あたりのパス回数が有意に少なく、個人で突破を試みることが有意に多かった。防御においては、パスインターセプトおよびドリブルスティールが有意に多く、ボールの位置に関係なく対峙する選手をマークして守ることが有意に多かった。これらのことから、攻撃および防御のいずれにおいても日本はチーム戦術を、ドイツは個人戦術を多く用いていることが示唆された。</p>