- 著者
-
波照間 永子
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.289_3, 2017
<p> 琉球芸能の世界で重要視される言葉に、「『かぎやで風』に始まり『かぎやで風』に終わる」がある。『かぎやで風』とは、琉球王国時代、国王や国賓の御前で上演した『御前風』五曲の一つで、今日では芸能公演や祝宴の座開きに踊られる。また、古典舞踊の教授過程においては、入門時に学ぶ演目でありながら、人間国宝級の演者がその技量を示すべく上演するものでもあり、古典の基本が凝縮されているとされる。『かぎやで風』の技法研究に関しては、振りの記録(儀保・西平、金城)や作品構成の研究(小橋川・花城)等を目的に研究がなされてきたが、「扇」の扱いに着目したものはない。</p><p> 本研究では、「扇」の操作性を指標に技法の動作を分析するとともに、その象徴性を抽出・考察することを目的とする。あわせて、本研究の分析指標を日本舞踊・韓国舞踊・中国舞踊等の東アジア地域の舞踊にも適用し比較する一助としたい。</p>