著者
近藤 誓
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.84_3, 2017

<p> 東(2014)は現代社会ではグラノベッターが述べるところの「強いつながり」が好まれているが、人生を豊かにしていくためには「強いつながり」だけではなく「弱いつながり」に飛び込んでいくことが重要であると述べている。</p><p> 他方で社会心理学者の山岸(1998)は東と同様に「弱いつながり」の重要性を説きつつ、相手の行動や能力ではなく、内面にある人間性や自分に対する感情などの判断で相手を信じるという「信頼」が重要であると指摘している。さらに「信頼」は意識的には利益を追求することはないが、結果的に利益につながるとも述べている。</p><p> この観点を援用して、報告者はこれまで競馬場に目を向け、自分の知らない人とたまたま出会い、そこで盛り上がって競馬を楽しむなど「弱いつながり」に飛び込み、相手を「信頼」するという行為を検討してきた。本研究ではこれまでの取り組みと比較する形で、新たに「競艇」を対象として、「競馬」との比較という観点から、「信頼」という概念の持つ賭けに対する社会学的意味について考察してみたい。</p>

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