- 著者
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牛来 千穂子
水落 文夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.99_3, 2017
<p> バスケットボール競技の現場では、連続してシュートを成功させると、その選手はパフォーマンスに対する自信と成功への期待を高め、「シュートタッチ」やその後のシュート時の諸動作がスムーズになることから、シュートが入りやすくなると信じられている。このhot hand現象を支持する研究報告の例として、Smith(2003)はhot hand現象の生起に関して、成功体験による正の強化が、自己効力感を高めパフォーマンスを向上させるとしている。一方で、誤認知であり単なる偶然に過ぎないという報告もみられる。しかし、実際にシュートの連続成功場面における、シューターのシュート動作と心理状態の変化を検討した研究は見当たらない。そこで本研究では、hot hand現象の生起、及びその際のシュート動作と心理状態との関係について、男子大学生バスケットボール選手らに行ったインタビューデータの質的分析と、3ポイントシュートを課題とする連続シュート実験によって検討した。連続シュート実験では、二次元気分尺度(TDMS)を用いてhot hand現象が生起している際の感情状態を経時的に評価し、シュート動作を撮影した動画を用いて3次元動作解析を行った。</p>