- 著者
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デンベレ ムッサ
古山 正雄
- 出版者
- 公益社団法人 日本都市計画学会
- 雑誌
- 都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, pp.463, 2002
19世紀後半のフランスによる植民化は、西アフリカ都市に根本的な影響を与えたと同時に、近代的都市計画の出発点をもたらした。西アフリカのプレ・コロニアルな都市はフィジカルやメタフィジカルな記号によって構成され、住民にとって生活規約や伝統的生活の社会的意味を持つ空間である。本研究はマリ共和国の植民地都市であるジェンネやバマコにおける都市発展過程の考察を通して、伝統的都市空間がどのように植民地化による変容と近代化の影響を受けたかを明らかにした。プレ・コロニアルとコロニアル都市の比較研究により、マリの都市空間が物理的変化を受けた結果生じた社会構造の変化を考察した。こうした都市の物理的変化によって人と空間の関係が失われたことで伝統社会のコミュニケーションが変容したことを明らかにする。