著者
小竹 佐知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.88, 2009

目的 食品咀嚼中に食品から放散する香気は、食品のおいしさを決める最終的な判断基準の一つとなることから重要と考えられる。そこで、食品咀嚼中の放散香気量に及ぼす咀嚼頻度の影響を検討することを目的として、咀嚼モデル装置を用いて測定した。方法 抜き型(直径2.7cm)を用いて直径2.5cm、高さ2.5cmに成形した蒟蒻ゼリー(マンナンライフ社製、カップポーションタイプ・レモン味)を0.31Hz、0.71Hz、1.00Hz、1.46Hzの咀嚼頻度にて2分間模擬咀嚼させ、その間に放散した香気をテナックスチューブに捕捉し、加熱脱着式(TSD、Gerstel社)のGC-MS(6890GC-5973MSD、Agilent社)によりリモネンを分析した。実験は6回の平均とし、シェッフェの全群比較法により統計処理を行った。結果 咀嚼頻度1.46Hz(1.46回/秒の咀嚼)は、予備実験にて学生パネルに試料を供試して食べてもらい、計測した嚥下するまでの咀嚼回数と咀嚼秒数から算出した値の最大値である。学生の咀嚼頻度は1.00~1.46Hzの間にあり、これに対して、ややゆっくりの咀嚼を0.71Hz、非常にゆっくりの咀嚼を0.31Hzに設定した。リモネンの放散量は、咀嚼頻度が低くなるにつれて減少する傾向にあったが、1.46Hzと1.00Hzの間には有意差は無く、0.71Hzでは5%、0.31Hzでは1%の危険率で有意に減少した。以上のことから、咀嚼頻度が低い高齢者では、咀嚼中の放散香気量の少ないことが示唆された。

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