- 著者
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山村 明子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.61, pp.217, 2009
目的 現代日本のメンズ・カジュアルファッションにはフェミニンなデザイン要素が多く受け入れられている。これらの事象の背景として、近年のジェンダー・フリー教育がファッション感覚に影響を与えたのではないかという仮定に基づき、分析・検討する。方法 資料には「Men's Non-no」(2000-2008年発行)を使用し、男性ファッションの動向を探る。また、1999年の男女共同参画社会基本法施行以降のジェンダー・フリー教育の動向について一般市などから探る。結果 フェミニンスタイルという言葉は2000年の誌面に登場する。それ以降ファッションに現れるフェミニン要素としてはピンクなどの華やかな色彩、フリル・レースといった曲線的なディテール、水玉、花といった模様表現、さらに、レディースのスカートなどをコーディネイトに取り入れている。これらは女性的に装うことが目的ではなく、あくまでも男性のファッションとして受容されている。ジェンダー・フリー教育による文化的性差の解消への取り組みは、今日のファッション感覚の形成へ影響を及ぼしていると考える。