著者
藤平 眞紀子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.250, 2009

【目的】1961年にわが国初のニュータウンとして開発が始まった千里ニュータウンでは、1962年より入居が始まった。近年、居住者の高齢化が急速に進み、戸建て住宅の空き家化が進行してきている。本報では、ニュータウン周辺の集合住宅居住者を対象として、ニュータウン内の戸建て住宅への住み替えの可能性を探った。【方法】千里ニュータウン周辺の阪急宝塚線豊中駅、石橋駅から徒歩15分圏内の3LDK程度の家族向け集合住宅の居住者を対象として、住み替えに対する意識や考えについてアンケート調査を行った。有効回答数は79であった。【結果】回答者の平均年齢は50歳であり、住宅の平均延床面積は80m<SUP>2</SUP>であり、間取りは3LDKが多い。所有形態は分譲が75%、賃貸が20%であり、居住年数は平均7年であった。現在の住まいについて、通勤や通学、買い物などの利便性や手頃な広さや落ち着いた環境を評価している。住み替えへの関心は高くなく、近い将来住み替えを考えている世帯は3割程度であり、乳幼児や小学生の子どものいる世帯であった。住み替え先として現在と同じ生活圏で、床面積がやや広い分譲戸建て住宅への希望が高い。千里ニュータウンは巨大な、古い昔の住宅街と捉えられていて、あまり良いイメージを持たれていない。定期借家制度による戸建て住宅の期限付き賃借について利用希望は低く、子育て期の世帯でのみその可能性がみられた。しかし、ニュータウン内の戸建て住宅へというよりも庭付き戸建て住宅への住み替えという意識が強いことがわかった。ニュータウンへの魅力が低下している現在、若い世帯がニュータウン内の戸建て住宅へ住み替えるためには、子育て支援の充実や家賃面での検討が求められる。

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