著者
高橋 徹 苅田 修一 後藤 正和
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.19, 2004

【目的】これまでにセルロースなどの不溶性食物繊維の摂取が消化管内容物の粘度を上昇させることを明らかにしてきた。内容物の粘度は消化・吸収を規定する要因の一つであると考えられることから、セルロース摂取による内容物の粘度の上昇が消化や吸収を遅延させることが推察された。そこで、内容物モデルにセルロース添加して小腸管腔内に注入し、セルロース添加がグルコース吸収に及ぼす影響を血糖値の変動から明らかにした。【方法】セルロース摂取が胃内容物の粘度を上昇させることから、セルロース(フナセル)10_%_添加によって粘度を調整した胃内容物モデルを20 mg/ml CMC(nakarai)と50 mg/ml D-グルコースを蒸留水に溶解させたものから作成した。ずり速度10 s-1の場合の粘度はそれぞれ880と490 mPa・sであった。これらの内容物モデルを、市販の飼料(CE-2, CLEA)で7週令から4-6日間予備飼育し1日絶食させたWistar系雄ラットの十二指腸に流速0.6 mL/minで 5分間注入し、ジエチルエーテル麻酔下で尾静脈から経時的に採血することで血糖値の変動を測定した。血糖値の測定については0、5、15、30、45、60、80分ごとに尾静脈から採血してグルコースCII(Wako)で血糖値を測定した。注入した内容物モデルの粘度(Pa・s)をブルックフィールド粘度計(DV-I+、Brookfield)で測定した。【結果】血糖値については、セルロース添加により有意に低く(p<0.05)、5分後と15分後で特に低い値が認められた。注入後の内容物モデルの粘度はセルロースの添加により上昇が認められた(p<0.01)。このことにより、セルロースを多く含む野菜などを食すると食後の血糖値上昇を緩慢にすることが示唆され、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療にセルロースを役立てることができると推察される。

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