著者
鈴木 聡子 船橋 良 阿部 祐子 片山 倫子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.225, 2006

〈B〉目的〈/B〉 近年、日本の家庭用電気洗濯機は渦巻き式から回転ドラム式へと急速に転換しているが、外見は同じでも両者の洗浄機構には大きな違いがある。一方、古くからドラム式を使用してきたヨーロッパでは、店頭の洗濯機に対して洗浄性能評価の表示を義務付けている。そこで著者らは次々に出現したドラム式についてJIS C 9606で採用している湿式人工汚染布とIEC60456で採用している4種のEMPA汚染布による洗浄性能の比較を試みた。〈B〉方法〈/B〉 被洗物としては、JIS C 9606で規定されている模擬洗濯物(シーツ1枚,シャツ1枚,タオル4枚,ハンカチ2枚の計8枚に補助布を加え,約1.5kgに調整)を、供試洗濯機は家庭用全自動洗濯機(ドラム式)3台とIEC基準機のウェスケーター(回転数は52rpm)及びJIS C 9606標準洗濯機を用いた水のみ(17±2℃)による10分間の洗濯を行った。被洗物の受けた機械作用は小型MA試験布によって推定し、洗浄力については各汚染布の表面反射率変化及び表面反射率から算出したK/S値によって検討した。〈B〉結果〈/B〉 IECのウェスケーター、日本の標準洗濯機及び3種のドラム式洗濯機(H11年、H13年、H17年製造)について洗浄力を湿式人工汚染布による洗浄前後のK/S値の差で、被洗物の受けた機械作用をMA/5値で推定したところ、標準洗濯機はウェスケーターの約2倍の機械作用を被洗物に付与しながら洗浄力はウェスケーターの半分程度であった。3種のドラム式には大きな差はなく、いずれの機種もウェスケーターと比べるとMA/5値は1.7倍、洗浄力は1.4倍程度であった。湿式人工汚染布とEMPA112はほぼ同じ洗浄性能であったが、EMPA111のみは水に溶出しやすく機械力との相関が見られなかった。

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