著者
川嶋 比野 織田 佐知子 数野 千恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.45, 2011

<B>目的</B> 我々は「染付皿に占める青色の割合が和食に与える影響」(家政誌,2010,Vol.61,no.12)で,白い皿色に占める青色の割合が40%前後の染付皿が多くの和食料理と相性が良かったことを報告した.それを踏まえ,本研究では皿に描かれている絵柄の種類によっても食欲の感じ方に影響があるのか,またどのような絵柄と料理の相性が良いのかについて調査を行った.<BR><B>方法</B> 植物,動物,風景,幾何学の絵柄の染付皿から柄の配置等が似ている写真を選び,画像処理ソフトを用いて青色の色合いを合わせ,皿に占める割合を40%程度に調整した.料理は,温菜として筑前煮,天ぷら,卵焼き,磯辺もち,冷菜として寿司,刺身,冷奴,水まんじゅうを用意し,皿と料理の写真を合成して自然な盛り付けに見えるよう大きさを調整した.食物栄養学部の女子大生53名,一般の中高年(40~80歳代)79名を対象とし,料理ごとに4種の皿に盛りつけられた写真を同時に見比べ,どれが美味しそうに見えるか順位法でアンケート調査を行った.<BR><B>結果</B> 対象者全体の結果としては,植物は全ての料理と相性が良く,風景は天ぷら,寿司,刺身などの高級なイメージのある料理と相性が良い傾向が見られた.動物は筑前煮や水まんじゅうと,幾何学は磯辺もちと比較的相性が良い傾向が見られた.女子大生と中高年で結果が大きく違ったのは,刺身,磯辺もち,水まんじゅうであり,女子大生はこれら3つとも植物の評価が最も高かったが,中高年は刺身では風景,磯辺もちでは幾何学,水まんじゅうでは動物の評価が最も高かった.中高年の性別で比較すると男性には風景が,女性には植物が好まれる傾向が見られた.また,温菜よりも冷菜で風景が好まれる傾向が見られた.

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