著者
岡崎 貴世
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.75, 2011

【目的】パソコンは日常生活の様々な場面で利用され、現代の情報社会において欠かせないものとなっている。仕事や趣味で1日に何時間もパソコンを使用している人も少なくない。最近では食事をしながらパソコンのキーボードやマウスを操作する人も多く見られるようになり、衛生的に問題はないかと考えられた。そこで共同使用のパソコンキーボードの細菌汚染状況と、汚れたキーボードの操作による手指の再汚染について調査した。<BR>【方法】キーボードと手指の汚染度は、細菌検査とATPふき取り検査によって測定した。細菌数は、検査面を綿棒でふき取り標準寒天平板に塗布して35℃、24時間培養して形成されたコロニー数から算出した。ATPふきとり検査はルミテスターPD‐20(キッコーマン食品株式会社)を用いた。汚染キーボードはキーボードカバーに試験者の手洗い水を塗布して作成した。一定時間キーボードを操作した後、手指のATP検査を行い、汚染度を評価した。<BR>【結果・考察】複数の学生が使用する共同使用パソコンのキーボードとマウスの細菌汚染を調査した結果、月変動は見られず季節よりもパソコンの使用頻度の影響を受けると考えられた。キーボードはカバーを装着している方が装着していないものより汚染度が高く、また汚染キーボードを操作することにより手指が再汚染されることが確認された。キーボードにはタンパク汚れや油脂汚れだけでなく生きた細菌が付着していることもあるため、パソコンを使用しながらの飲食はできるかぎり控えるべきであると考えられた。特に共同使用のパソコンは常に清潔な状態で使用するように心掛ける必要があると考えられた。

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