- 著者
-
宇都宮 由佳
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.69, 2017
<b>研究目的と方法<br></b> 1990年代から2000年代初頭急激な経済発展を遂げたタイにおいて、健康志向の高まりとともにヘルシーな日本食が注目され、2007年724店舗だった日本食店は2016年2,713店舗まで増加した。2013年タイ人の日本渡航ビザが免除にされ、来日旅行者が増加し、スーパーやデパートで日本食のイベントが開催されるようなった。本研究では、タイにおける外来食文化、特に日本食の受容実態について、外食産業の動向を踏まえつつ、1997年からの定期的参与観察調査、大学生を対象にしたアンケート(2013年、2015年)及びヒヤリング調査(2016年)から探ることとする。<br><br><b>研究結果<br></b> タイでの外国料理店は日本食が最も多く、ラーメン店等の専門店に加え、日本にない「回転寿司しゃぶ」がある。食事は、複数主菜、味噌汁にレンゲを用い、緑茶をストローで飲むなどのタイ様式が維持されていた。<br>アンケート結果では、好きな日本食が「すし」、嫌いなものは「刺身」であった。タイの「握りすし」は、カニカマ、卵焼き、ツナマヨなどの加熱したネタが多く、色鮮やかで日本のものよりサイズが小さい。刺身は好きと嫌いで2極化していた。ヒヤリングでは、抹茶入りの菓子が人気であった。日本食の価格帯は、緑茶や菓子など手軽なものから高級なものまで幅広い。外食・中食をする頻度の高いタイにおいて、TPOに合わせた多種多様な日本食が受容されていた。 <br><br><br><br><br><br><br><br><b><br></b>