著者
染川 晋作 堀 大輔 前田 朗
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.128, 2009

【はじめに】<br> 近年、スポーツ現場における理学療法士(以下PT)の活動報告が多く紹介されている。我々も某大学アメリカンフットボール部に対し、2004年からトレーナー活動を中心としたメディカルサポートを行ってきた。2007年から当院の医師及び看護師にも協力を依頼し、当院での活動内容も徐々に増加している。現在では、怪我をしたほとんどの選手が当院を受診するまでに至った。そこで今回、我々の行っているメディカルサポートの報告と、当院のサポートシステムについて検討した。<br>【PTの活動内容】<br> 活動内容は、大学トレーニングルームにて行う練習後のメディカルケア(週1回)、春シーズン4試合・秋シーズン5~7試合の帯同、夏合宿(1週間)の帯同、当院でのリハビリテーション(チームに所属する当院PT2名が主となる)、監督・コーチとのミーティング(受診した選手の現状報告など)、サポートスタッフとのミーティング及び勉強会、選手・コーチへの傷害予防に対する教育などである。<br>【当院のサポートシステム】<br> 2007年から当院の医師及び看護師の協力のもと、受診する選手に対して、リハビリ処方箋の他にチーム専用のシート(以下連絡表)を使用している。連絡表では、受診した選手の診断名及び目安となる固定期間、ジョグ復帰可能、コンタクト以外復帰可能、コンタクト復帰可能時期など、選手のニーズに合わせた情報を医師に記載してもらう。連絡表は、運動療法適応外の場合でも医師に記載してもらう。診察後は記載された連絡表をもとに、チームに所属する当院PT2名が選手の状態を個別にチェックをして、受診した全選手の状態を把握するシステムを確立している。<br>【当院の受診数】<br> 2年間に当院を受診した選手数は、2007年が全選手数56名中41名(73.2%)、2008年が全選手数50名中42名(84.0%)であった。選手の当院受診(のべ新患)数は2007年が101件、2008年130件の総計231件であった。また、当院で手術を施行したものは10件であった。<br>【考察】<br> チームに対する院外でのメディカルサポートを行い、2007年より当院のサポートシステムを確立できたことで、2008年には当院を受診する選手の割合が増加した。診察時に連絡表を使用することで、選手のニーズに合わせた情報提供及び監督・コーチとの情報の共有が迅速となり、理学療法適応外の場合でも、PTが全選手の状態を把握することができた。しかし、PTによる選手の怪我に対する分析はさらに必要であり、今後の課題として、1)連絡表を見直し、怪我の状況(受傷機転やコンディション、グランド状態など)を詳細に評価すること、2)評価をもとに分析を行うこと、3)競技特性に沿ったより良いサポートシステムを確立することを検討中である。

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こんな論文どうですか? 大学アメリカンフットボール部に対する当院のサポートシステム(染川 晋作ほか),2009 https://t.co/dzo189222T 【はじめに】<br> 近年、スポーツ現場における理学療法士(以下PT)の活動報告が多く紹…
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