著者
前田 朗 堀部 秀二
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.196-203, 1999-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

関節は, 骨, 関節軟骨, 靱帯, 関節包, 滑膜, 支帯, 半月, 関節唇などで構成され, 運動の中心, テコの支点, 荷重負担, 衝撃緩和, 位置覚のセンサーとしての機能がある. 関節の運動は並進運動 (すべり) と回転運動 (ころがり) が組み合わさって行われる. 関節の物理的特性としては, 粘弾性特性や小さな摩擦力が特徴的である. 関節の安定性は骨形態, 靱帯, 半月, 関節唇, 関節周囲筋, 関節内の陰圧, 拮抗する関節周囲筋などによって保たれているが, なかでも靱帯の果たす役割は大きい. 靱帯は関節において骨と骨を連結する紐状あるいは帯状のコラーゲン線維組織であり, 関節の安定化, 関節運動の誘導, 過度の運動に対する制動, 関節の固有知覚のセンサーとしての機能がある.
著者
前田 朗
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.615-620, 2008-12-01

東京大学情報基盤センターが主催する「図書系職員のためのアプリケーション開発講習会」は,各受講生が企画・開発した図書館関連アプリケーションをWeb上で試行公開している。っまり,職員の学習の場に留まらず,新しい利用者向けサービスや業務効率化のツールを内製によりローコストで提供する場としても機能している。講習会成果のうち,情報のファインダビリティ向上を実現するサービスには「東大版LibX」「東京大学OPACウィジェット」「My UT Article Search」「東京大学OPAC Plus"言選Web"」などがある。大学図書館において,ローコストでも実現可能なファインダビリティ向上の機会は多く,取り組みの意義がある。
著者
前田 朗
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.150-154, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)

大学等の学術研究機関に所属する図書館員のスキルアップの手法として,学術情報システムの個人的なプロジェクトに取り組むことを提案する。この手法では,成果が出ることがモチベーションとなる,学習の機会が増えるといった利点がある。プロジェクトの取り組み対象は,業務の自動化,インターフェイスのカスタマイズ,ツールの作成,学術情報の解析,情報検索システムの試作とさまざまなものがありえる。これらのテーマごとに,筆者が職務ほか「図書系職員のためのアプリケーション開発講習会」講師や「専門用語自動抽出システム」開発に取り組んできた経験から,注目している情報を提示していく。
著者
後藤 昭 村井 敏邦 三島 聡 石塚 伸一 村井 敏邦 葛野 尋之 水谷 規男 福井 厚 土井 政和 前田 朗 佐々木 光明
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

(1)全国の刑事施設および更生保護関連機関等に関する実態調査およびデータベース作成:統一的な調査を実施するため、「施設調査票」を作成し、全国的に施設参観を実施した。その他、元矯正施設職員、施設関係での訴訟を提起している当事者、弁護士等から、日本または海外の矯正施設の現状や新たな立法動向等についての聴き取りを行った。これらの調査から、刑事施設が現在抱えている最大の問題は過剰収容であり、それによって、施設運営も保安的観点が重視され、処遇面がおろそかにされるおそれがある等の状況が把握された。日本の刑罰システムに関する総合的なデータベース作成については、国内外のインターネット上で提供されている情報を利用しやすい形態にまとめた。その他、海外については、NGOの発行した年次活動報告書、欧州人権裁判所の重要判例関する資料を収集した。日本については、近代監獄改革関連事項に関する年表を2001年度分まで完成させた。(2)現行制度および運用に関する評価・分析、ならびに「対案の」提示:かつて本研究会が、拘禁二法案への対案として作成した『刑事拘禁法要綱案』(1996年)につき、改訂作業を行った(「改訂・刑事拘禁法要綱案」)。改訂に際しては、近年、日本においてもNGO活動が盛んとなりつつあることや、行政機関の情報公開に対する意識が高まっていること等、新しい社会の動向にも注目した。主な改訂のポイントは、施設内処遇に市民が協力するという形態を積極的に採用したこと、施設処遇に対する第三者機関としての市民の監視を充実させたことにある。刑事施設の抱える問題点に対する一つの回答でもあり、施設だけで処遇を担うのではなく、一般社会と連携しながら、また一般社会に対しアカウンタビリティを果たしながら施設を運営していくべきであるとの方向性を示したものである。改訂作業に加え、改訂要綱案に基づく施設運営の実現可能性についても検討を行った。そのために、数名の被収容者を想定し、入所時から出所時までのシミュレーションを作成した。(3)研究成果の公表およびシンポジウムの開催:以上の研究成果を広く公表するために、研究会のホームページを立ち挙げた。2002年3月9日には、法政大学において、「21世紀の刑事施設-グローバル・スタンダードと市民参加」と題するシンポジウムを開催した。
著者
堀 大輔 染川 晋作 前田 朗(MD)
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.21, 2010

【はじめに】<BR>アメリカンフットボールは傷害発生率の高いスポーツであり、これまで多くの傷害報告がある。<BR>我々はメディカルサポートをしている大学アメリカンフットボール部に対して2007年から傷害調査を行い、過去の報告と比較するとハムストリングス肉離れの発生率が高いという特徴的な傾向があることを第31回本学会で報告した。<BR>肉離れのリスクファクタ―として筋力不足や不均衡、筋柔軟性の低下、不適切なウォーミングアップ、ランニングフォーム、神経・筋協調性の欠如、環境条件の不良など多数あげられ、発生原因を断定するのは難しくあらゆる方向から予防することが必要とされている。しかし医療機関に勤務しながら限られた時間の中でチームサポートしている我々にとっては、それを実行することは困難である。<BR>そこで今回、比較的簡便に測定可能かつ客観的に数値化できる筋力測定を行い、測定結果を選手にフィードバックすることで発生予防のための一手段となり得るか検討したので、ここに報告する。<BR>【対象】<BR>2009年、某大学アメリカンフットボール部に所属する2,3,4年生の選手33名、平均身長173.5±5.9cm、平均体重83.2±12.2kg。<BR>【方法】<BR>・2009年2月(シーズン前)、CYBEXを用い60deg/sec・180deg/secにおける膝の伸展・屈曲トルク値を測定しQH比を算出した。<BR>・理想のQH比を60deg/secでは0.58以上、180deg/secでは0.66以上とし、測定結果を選手個々にフィードバックした。<BR>・2009年も継続して傷害調査を行い、2008年におけるハムストリングス肉離れの発生率との比較を行った。<BR>なお、これらはヘルシンキ宣言に則り、チームにおける選手・スタッフに十分に説明し同意を得て行った。<BR>【結果】<BR>・指標とするQH比より低い傾向にあった選手は26人/33人(78.78%)であった。<BR>・ハムストリングス肉離れの発生は 2008年:13件/37人(0.35件/人)→2009年:8件/33人(0.24件/人)、と減少した。<BR>・特に春シーズン(3月、4月、5月、6月)の発生は2008年:8件/37人(0.22件/人)→2009年:2件/33人(0.06件/人)、と減少した。<BR>【考察】<BR>肉離れの発生状況とQH比の関係や、QH比を用いた肉離れの予防の効果についての報告は多く、QH比が低いとハムストリングス肉離れの発生率が高値を示すことがこれまでの統一した見解である。<BR>今回の測定にて、当部においては指標とするQH比より低い傾向にあった選手が多く、測定結果を選手にフィードバックするとともにハムストリングスの選択的強化の必要性を同時にアドバイスできたこと、またそれらを発生率の高い春シーズン前に行うことができたことが、ハムストリングス肉離れの発生率を低下させた要因となったのではないかと示唆される。<BR>今回は、チーム事情で1回のみの測定に終わり、実際にその後QH比に変動があったかは定かではない。また2月に測定したQH比が数ヶ月以降の秋シーズンの肉離れの発症にどれほど関係しているかは不明瞭であるため、今後は測定回数を増やしQH比の推移と発生状況を更に分析する必要性がある。
著者
前田 朗 加藤 寛士 高橋 菜奈子 山地 一禎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.9-15, 2016

<p>国立情報学研究所が提供する「共用リポジトリサービス」JAIRO Cloudは,いまやJAIRO Cloudを抜きに日本の機関リポジトリを語れないところまで普及している。本稿では,このJAIRO Cloudについて,主にそのシステム基盤の意義について論ずる。JAIRO Cloudのシステム基盤の特徴は維持継続が容易で発展性が高いことにある。JAIRO Cloudの特色を地域共同リポジトリなど類似のサービスの比較により明らかにした上で,現在の取り組みを紹介していく。</p>
著者
宮崎 義雄 米田 稔 瀧内 敏朗 前田 朗 横田 淳司
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.309-312, 1999-07-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

[Purpose] To clarify the diagnostic value of load and shift test (LST) for the assessment of glenohemeral joint laxity compared with examination under anesthesia (EUA).[Material and Method] We retrospectively reviewed the healthy-side shoulders of 100 patients (65males,35 females) who underwent surgical treatment of their opposite side. Their mean age was 27.5years. We examined the anterior and posterior laxity at 30° and 90° of abduction, and inferior laxity in neutral rotation with the arm at the side. The anterior or posterior laxity was graded into three degrees (-, +, + +), and the inferior laxity was graded into two degrees (sulcus sign -, +). We detrmined the joint laxity positive when the laxity was graded + or + +. We calculated the sensitivity, the specificity and the accuracy of the LST based on the results of the EUA. In addition, when a joint laxity existed at the anterior and posterior transelation on LST, we assessed the discrimination of the grade of the laxity on LST based on the results of the EUA.[Results]Sensitivity, specificity and accuracy of LST were as follows: inferior; 50.0%,96.0%,98.0%, anterior at 30°of abduction; 45.0%,96.3%,86.0%, anterior at 90°of abduction; 54.2%,100%,78.0%, posterior at 30°of abduction; 36.4%,92.9%,68.0%, posterior at 90°of abduction; 56.0%,88.9%,71.0%, respectively. The discrimination of the grade of laxity: anterior at 30°of abduction; 100%, anterior at 90°of abduction; 84.6%, posterior at 30° of abduction; 87.5%, posterior at 90°of abduction; 77.4%.[Conclusion]LST was not sensitive but a specific examination compaired with EUA fbr shoulder joint laxity. Moreover, LST was excellent for the discriminating the gradeof the laxity.
著者
染川 晋作 堀 大輔 前田 朗
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.128, 2009

【はじめに】<br> 近年、スポーツ現場における理学療法士(以下PT)の活動報告が多く紹介されている。我々も某大学アメリカンフットボール部に対し、2004年からトレーナー活動を中心としたメディカルサポートを行ってきた。2007年から当院の医師及び看護師にも協力を依頼し、当院での活動内容も徐々に増加している。現在では、怪我をしたほとんどの選手が当院を受診するまでに至った。そこで今回、我々の行っているメディカルサポートの報告と、当院のサポートシステムについて検討した。<br>【PTの活動内容】<br> 活動内容は、大学トレーニングルームにて行う練習後のメディカルケア(週1回)、春シーズン4試合・秋シーズン5~7試合の帯同、夏合宿(1週間)の帯同、当院でのリハビリテーション(チームに所属する当院PT2名が主となる)、監督・コーチとのミーティング(受診した選手の現状報告など)、サポートスタッフとのミーティング及び勉強会、選手・コーチへの傷害予防に対する教育などである。<br>【当院のサポートシステム】<br> 2007年から当院の医師及び看護師の協力のもと、受診する選手に対して、リハビリ処方箋の他にチーム専用のシート(以下連絡表)を使用している。連絡表では、受診した選手の診断名及び目安となる固定期間、ジョグ復帰可能、コンタクト以外復帰可能、コンタクト復帰可能時期など、選手のニーズに合わせた情報を医師に記載してもらう。連絡表は、運動療法適応外の場合でも医師に記載してもらう。診察後は記載された連絡表をもとに、チームに所属する当院PT2名が選手の状態を個別にチェックをして、受診した全選手の状態を把握するシステムを確立している。<br>【当院の受診数】<br> 2年間に当院を受診した選手数は、2007年が全選手数56名中41名(73.2%)、2008年が全選手数50名中42名(84.0%)であった。選手の当院受診(のべ新患)数は2007年が101件、2008年130件の総計231件であった。また、当院で手術を施行したものは10件であった。<br>【考察】<br> チームに対する院外でのメディカルサポートを行い、2007年より当院のサポートシステムを確立できたことで、2008年には当院を受診する選手の割合が増加した。診察時に連絡表を使用することで、選手のニーズに合わせた情報提供及び監督・コーチとの情報の共有が迅速となり、理学療法適応外の場合でも、PTが全選手の状態を把握することができた。しかし、PTによる選手の怪我に対する分析はさらに必要であり、今後の課題として、1)連絡表を見直し、怪我の状況(受傷機転やコンディション、グランド状態など)を詳細に評価すること、2)評価をもとに分析を行うこと、3)競技特性に沿ったより良いサポートシステムを確立することを検討中である。
著者
前田 朗 成田 陽二郎 米田 稔 広岡 淳
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 = Shoulder joint (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.349-352, 1999-07-30
参考文献数
10
被引用文献数
1

The purpose of this study was to know the time-course from primary shoulder dislocation to recurrence in young rugby players. We sent questionnaire about shoulder dislocation to all highschool/college rugby teams in the Kyushu area (No. of players; 5476). Based on the answers from the players who had undergone shoulder dislocations, we divided them into two groups; Group I: immobilization for 0-3 weeks at the time of initial dislocation(n=61), and Group II: immobilization for 4-7weeks (n=18). We compared the time-course from primary dislocation to recurrence between the two groups using the Kaplan-Meier method. The age of primary dislocation was between 14 and 23 years old ( ave.; 16.7 ). The probability of recurrence was 78%,44%, and 70% after one year; 85%,69%, and 81% after two years in Groups I, II, and the whole groups respectively. The average period from restart of rugby to recrurrence was 9.8,30.6, and 19.7 months in Groups I, II, and the whole groups respectively. The symptom-free period could be elongated if immobilization was done for 4 weeks or more in comparison with cases immobilized for 3 weeks or less (p<0.05). However, the high recurrence ratio showed limitations of immobilization therapy for primary shoulder dislocations of rugby players.
著者
前田 朗
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.170-175, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)

本稿では筆者の経験を事例として示しつつ,インフォプロを対象に仕事でのプログラミングへの向き合いかたを提示する。プログラミングができることで,仕事における課題をコンピュータにより解決すべく取り組んでいける。副次的に身につくプログラミング的思考は,自らが情報システムのありかたを考えるにあたり助けになる。プログラミングは必ずしも難しくなく,簡単なプログラミングであっても,仕事の課題を解決していけることも多い。プログラミング自体に楽しみを見出すことも,周囲やベンダーとのコミュニケーションに役立てることもできる。