著者
杉山 幸丸
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.27, pp.27, 2011

 餌付けされた高崎山のニホンザルが寄せ場で投与される餌にどれほど依存しているか。Soumah & Yokota (Folia Primatol, 1991) および横田直人(「霊長類生態学」2002)の資料を基に分析した。原調査は1987、1988年に実施したものであり、この頃、餌投与量は300Kcal/頭/日以下に減量していた。調査は4回にわたり(7-10月と2-3月)各4-5頭のメスを終日追跡してその採食内容を詳細に記録したものである。優位メスがより高い採食量を、高い人工食依存度を示していたのは予想されたとおりだった。人工食率は優位で63.7%、劣位で37.9%だった(平均57.3%)。しかし夏冬ともに、優位・劣位ともに必要エネルギー以上を摂取していた。ただしこの計算には通常の運動量は考慮してあるが成長、妊娠、出産、育児に要するエネルギーは含まれていない。高崎山では出産率の年変動が激しいが、これは森の生産量の年変動に強い影響を受けていると考えられる。

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