著者
押田 佳子 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.37, 2010

江戸時代に「観光地」として脚光を浴びた鎌倉の海岸名所の景観構成を、十返舎一九「金草鞋 二十三編-江ノ島鎌倉廻り」における記述より把握した。その結果、筆者が訪れた全107地点のうち、景観についての記述は17地点でみられ、一九が平野部が狭く急峻な山地とわずかな海岸平地で構成される鎌倉の地形を活かし、俯瞰、仰瞰のシーン景観を用いて、通過地点より捉えた景観を表現することで旅の転換点を印象付けるよう演出していたことが伺えた。一方、海岸沿いに一続きである、江ノ嶋入口-七里の浜間では、連続した開放空間を捉える事が出来、かつ眺望の変化を楽しめることより、水平シークエンス景観による演出がなされていた。また、景観の記述がみられた17ヶ所中11ヶ所で海岸への眺望が捉えられていたことより、『金草鞋』において海岸景観が鎌倉地域を象徴する景観であることが伺えた。

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