著者
栗本 賢一 岡田 智秀 落合 正行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.263-278, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
56

本研究の目的は、東京臨海部の小地域を分析単位として、その基幹産業である港湾・空港産業および知識集約型ビジネスサービス業における空間的な産業集積実態やその動学的外部性を明らかにすることである。その分析方法は、Glaeserらが提唱する「動学的外部性」の3つの指標に着目し、特化指数、地域競争性指数、産業多様性指数を用いて、MAR外部性、Porter外部性、Jacobs外部性を導いた。そして、その結果を検証するために、ヘドニック・アプローチを用いて、本研究成果である動学的外部性の妥当性を提示した。
著者
佐々木 葉 羽藤 英二 岡田 智秀 佐々木 邦明 平野 勝也 山田 圭二郎 星野 裕司 山口 敬太 出村 嘉史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では 景観計画およびまちづくりの理念を構築するための理論的研究として、①固定的視点からの景観把握モデルに代わる広域を捉える地域景観把握モデルの可能性を示し、②欧州風景条約から本研究の理念の位置づけを確認した。理念を実現する方法論として、③シーン景観、④移動景観、⑤生活景それぞれの視点で地域景観を記述する手法を考究した。理念実現化の運用方策として、⑥地域景観の保全から捉えた地域ガバナンス、⑦地域景観を活用した地域連携方策、⑧地域景観の価値の継承方策を調査した。以上を含めた本研究の成果は2014年1月23日に土木学会ワンデイセミナー「地域景観まちづくりの理論と実践を探る」において公表された。
著者
森 貴規 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.40.3, pp.871-876, 2005-10-25 (Released:2017-07-01)
参考文献数
46

本研究は、通称地名を活用した谷戸の景観保全を促すために、通称地名の対象景観とその特徴を明らかにするものである。そのため、本調査では、横須賀市田浦・長浦地区において、文献調査、地域の歴史に詳しい方々へのヒアリング調査、現地踏査および図面分析を実施した。 その結果、現在でも継承されている 12箇所の対象景観を明らかにし、その構図的特徴と視覚構造を把握した。そして、それらを通じて対象景観の保全策を提示した。
著者
岡田 智秀 横内 憲久
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.919-924, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

今回の東日本大震災を経験したわが国では、従来のような海岸空間のみで海の猛威を抑えるのではなく、海岸空間とその背後の市街地を一体的に捉えた広域的かつ複合的な新たな海岸まちづくりの視点が重要になると考える。この点につき、米国ハワイ州では、海岸地域を高波等から守るために住宅地を海岸背後へと誘導するとともに、海岸景観や海岸環境にも配慮するために、海岸部には海岸構造物を極力設置しない「海岸線セットバックルール(Shoreline Setback)」という制度を実施している。この制度は、海岸整備と背後のまちづくりを一体的に捉えるという意味において、わが国よりも進んだ取り組みといえ、さらに土地利用コントロールにより海岸構造物を極力設置しないことで海岸景観・環境にも貢献できるという利点ももつ。海岸地域のまちづくりのあり方の大転換が求められるわが国において十分に参考とすべき事例といえる。そこで本稿では、上述した要件を満たすわが国の新たな海岸まちづくり方策の一助とすべく、米国ハワイ州の「海岸線セットバックルール」の取り組みについて報告を行う。
著者
山崎 正人 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.733-738, 2003-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究はプライベートビーチを活用した新たな海岸環境管理制度を提案し、その実現可能性を検討するものである。調査は、民間事業者の自主的な海岸管理がみられる沖縄県を事例として、環境管理に対する意識や実施意欲を把握するために、海岸管理者とリゾートホテル事業者6社へのヒアリング調査を実施した。その結果、実施主体となる民間事業者は、環境管理の範囲を明確にするためにプライベートビーチを望んでいるという状況を捉えた。
著者
猪股 弘樹 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.331-338, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
70
被引用文献数
1

近年の運河は、画一的な空間整備によって、その利用パターンが形骸化するなどの批判がある。こうした状況を踏まえ、本研究では東京都江東区の運河を対象とし、江戸時代から現在にいたる「行政の運河計画」と「運河と市民とのかかわり」から、「運河の特性」とその特性を成り立たせる「空間構成」を明らかにすることを目的に、文献調査・ヒアリング調査を行った。その結果これまでの運河整備は、周辺の空間状況 (地域性) によらず「緑化」と「遊歩道」に限定した水域内のみの施策であることを指摘した。そして、今後整備を行う際のデザインボキャブラリーとして、9つの「運河の特性」と、7種の「空間構成」(「運河の格」) を明らかにした。
著者
押田 佳子 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.37, 2010

江戸時代に「観光地」として脚光を浴びた鎌倉の海岸名所の景観構成を、十返舎一九「金草鞋 二十三編-江ノ島鎌倉廻り」における記述より把握した。その結果、筆者が訪れた全107地点のうち、景観についての記述は17地点でみられ、一九が平野部が狭く急峻な山地とわずかな海岸平地で構成される鎌倉の地形を活かし、俯瞰、仰瞰のシーン景観を用いて、通過地点より捉えた景観を表現することで旅の転換点を印象付けるよう演出していたことが伺えた。一方、海岸沿いに一続きである、江ノ嶋入口-七里の浜間では、連続した開放空間を捉える事が出来、かつ眺望の変化を楽しめることより、水平シークエンス景観による演出がなされていた。また、景観の記述がみられた17ヶ所中11ヶ所で海岸への眺望が捉えられていたことより、『金草鞋』において海岸景観が鎌倉地域を象徴する景観であることが伺えた。
著者
押田 佳子 横内 憲久 岡田 智秀 瀬畑 尚紘
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.431-436, 2011 (Released:2012-09-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1

This paper studies on the developmental process of the route planning and the staying base from analyze 18 travelogues of early modern Kamakura. Firstly, the major route in the whole Edo Era conducted that many author of travel notes came into Kamakura from “Mutsuura”, and that leaved from “Katase-gawa”. Secondly, the main spots of this area were ”Tsurugaoka-hachimangu”,”Hasedera-kannon”,and “Enoshima Island” on this course, because of the travelers was able to get travel information and that are crowded. Moreover, the hotel and the tea district tended to build on around main spots. Hotels were used only as an inn at first, as well as the travel role had changed as time passed: for example, the observatory, the attraction, and restaurant like “Iwamotoin on Enoshima”. On the other hand, tea districts were located along the Kamakura coast between Enoshima and Inamuragasaki. The note was expressed that the beautiful coastal scenery from this area was very popular among the travelers.In particular, Inamuragasaki had been actively on the tourism business which a clerk sold a traditional map and lectured to a person. Conclusion, the seashore landscape was became valuable of Kamakura tourism results from diversity of travel style with time passed.
著者
大越 正之 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.613, pp.283-290, 2007
参考文献数
43
被引用文献数
1

The number of low unused ground increases along with the revolution of the industrial establishment though the waterfront in our country has been used as a space that fills the port function. It can be said that the land readjustment project is waterfront development and exists in an important location because such a situation is based, and the Ministry of Land, Infrastructure and Transport has given low unused ground in the seaside part as a region where the land readjustment project is emphatically used. However, the land readjustment project in the waterfront is thought that the maintenance technique only of the waterfront is necessary in land use and forming from an environment it different from the inland of adjacent to a vast sea area the spectacle. Then, maintenance that was able to enjoy the charm of the waterfront was led to become possible because it maintained the road without obstructing the view to the investigation of the maintenance requirement for the land readjustment project in the waterfront, the arrangement of the park and the green tract of land in the waterside, and seas in this research.
著者
岡田 智秀 横内 憲久 川田 佳子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究目的は海岸構造物に依存しない新たな海岸まちづくり方策を導くため、その先進事例である米国ハワイ州の「海岸線セットバックルール」の運用実態や、日本国内の伝統的海岸防災施設の成立要件・土地制度等の分析を通じて、日本型セットバックルールのあり方を導く。本成果としてハワイ主要4島の「海岸線セットバックルール」の制度的特徴,成功・失敗例の要因,促進方策,ハワイ島津波セットバック(KAIKO Project)の実態を明らかにし,当制度のわが国への導入可能性を考究するため,東北被災地の復興まちづくりにおける「海岸線セットバックルール」の適用可能性や,当制度非導入地域における海岸まちづくり方策を導出した.