著者
小林 三智子 岡田 幸雄 戸田 一雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.136, 2004

【目的】味覚感受性の測定にはその目的によって種々の方法が用いられるが、臨床の場では電気味覚計を用いた検査と、ろ紙ディスク法の検査が多く使用される。本報告では、両者の測定法を用い、若年女性の味覚感受性を測定することを目的とした。<br>【方法】健康な19歳から21歳の女子学生を対象とし、口腔内には口内炎やう歯による痛みのないこと、食後1時間以上経過していること、非喫煙者であることを確認した。電気味覚検査は電気味覚計(TR-06)を用い、刺激部位は、舌尖より2cmの茸状乳頭領域の左右舌縁(茸状左・茸状右)、舌縁後方葉状乳頭領域の舌根に近い左右(葉状左・葉状右)の部位の計4箇所とした。ろ紙ディスク法検査には直径6mmの円形ろ紙を用い、試料溶液はスクロース、塩化ナトリウム、DL-酒石酸、硫酸キニーネ及びグルタミン酸ナトリウムの五味とした。刺激部位は、舌尖より2cmの左舌縁とした。<br>【結果】電気味覚検査の結果は、茸状左-1.38dBおよび茸状右-1.59dB、葉状左0.4dB、葉状右0.2dBであった。葉状乳頭と茸状乳頭のそれぞれ同じ部位において、左右の差は認められなかった。しかし、部位が異なると、茸状乳頭と葉状乳頭の左右ともに、舌尖部の茸状乳頭のほうが有意に低い値を示し、味覚感受性が高いことが示された。一方、ろ紙ディスク法により求めた五味の閾値はそれぞれ、甘味(スクロース)160mM、塩味(塩化ナトリウム)320mM、酸味(DL-酒石酸)40mM、苦味(硫酸キニーネ)0.625mM及びうま味(グルタミン酸ナトリウム)160mMであった。

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