著者
大島 規江
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.81, 2008

<BR>I. はじめに<BR> モンゴルは1990年に民主化を達成した。改革開始当初は、移行経済に伴う困難さから経済は低迷を続けたものの、経済的構造改革、日本をはじめとする外国からの支援を基軸として、政府は経済の立て直しを図り、1994年以降、著しい経済発展を続けている。それに伴い、地方農村から首都ウランバートルへの人口が流入、それに伴って都市域が無秩序な発展をしている。本発表ではウランバートルの9行政区のうち6行政区における都市域の拡大を地域の住宅形態に焦点を当てて分析する。<BR>II. 調査地域概要<BR> モンゴルの首都ウランバートルは、同国中部を貫流するオルホン川の支流トーラ川沿岸の標高約1,350mの場所に立地する。2005年現在、人口は約100万人で、その数は同国人口の約4割に相当する。<BR> ウランバートルは、行政上「首都特別区」に指定され、県と同等の権限を有する。特別区は、スフバートル(Sukhbaatar)、チンゲルティ(Chingeltei)、バヤンゴル(Bayangol)、バヤンズルフ(Bayanzurkh)、ハーンオール(Khan-Uul)、ソンギノハイルハン(SonginoKhairhan)、ナライハ区(Nalaikh)、バガノール区(Baganuur)、バガハンガイ区(Bagakhangai)の9の行政地区で構成されている。ナライハ、バガノール、バガハンガイの3行政地区は他の6行政地区から20kmも東に位置する。したがって、この3行政地区は行政区域上ウランバートル市域とはいっても、他の6行政区とは機能的に全く異なる。このため、本研究では、この3行政地区を除く6行政区を研究対象地域とした。<BR> ウランバートル市の中心は、政府宮殿とスフバートル広場であり、その周辺にオペラ劇場、文化宮殿、博物館、市役所、証券取引所、中央郵便局、大学、各国大使館が立地し、政治の中心地を形成している。行政地区上では、スフバートル南西およびチンゲルティ南部に相当する。前2地域にバヤンゴル南東部を加えた地域には、映画館、百貨店、ホテル、ザハと呼ばれる市場があり、経済の中心地となっている。<BR>III. 集合住宅地域とゲル・ハウス居住地域<BR> 民主化以降、ウランバートルの都市域は拡大を続けている。2005年における各地区の人口と世帯数をゲル・ハウス地域と集合住宅地域別に示したものが表1であり、各地区の特徴が分かる。各地区の総人口に占めるゲル・ハウス地域の人口の割合は、チンゲルティで最も高く78.2、バヤンゴルで25.1%と、地区による差が著しい。また、居住形態も、アパート、暖房・水道完備一戸建て、暖房・水道なし一戸建て、ゲル・ハウス等の住宅形態も各地区で異なることが明らかとなった。<BR>IV. おわりに<BR> 今後は、都市化に伴う正のインパクトのみならず、負のインパクトも含めた都市環境の変容についても検討したい。

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