- 著者
-
青木 美紗
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.87, 2018
<b>目的 </b>倫理的消費は「地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動」と消費者基本計画(2015年)において定義され、持続可能な消費を実践するために求められている。しかし、購買者の多くは倫理的消費について学習する機会がほとんどなく、倫理的消費行動を誘引する環境はそれほど整っていない。そこで、購入時に倫理的消費に関連する情報を継続的に提示することによって、倫理的消費行動をとるのかどうか明らかにすることを本研究の目的とする。<br><b>方法 </b>大阪府東大阪市におけるJA農産物直売所の利用者を対象としたアンケート調査を2017年6月実施し、回収した493のデータをクロス集計と因子分析によって分析した。調査対象とした直売所では、2009年より東大阪市産の環境に配慮して生産した農産物を継続的に購入する消費者には、その農産物を購入する意味を提示し購入特典を提供する取り組みを続けている。データ分析では、この取り組みへの参加者と非参加者の農産物に関する倫理的消費行動を比較した。<br><b>結果 </b>まず、購入する農産物の生産背景、地産地消の認知度は参加者の方が高い結果となった。また、直売所を利用する理由においても、環境に配慮したもの、地元のものが買える、地域の生産者を応援できる、地域の農地を守ることができると回答した人が参加者の方が多かった。そして、因子分析の結果、参加者の方が農産物購入時に環境や地域に配慮していることが明らかとなった。