- 著者
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森島 聡子
- 出版者
- 一般社団法人 日本血液学会
- 雑誌
- 臨床血液 (ISSN:04851439)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.8, pp.1086-1094, 2018
<p>非血縁者間造血幹細胞移植において患者とドナーのHLA不適合は移植片対宿主病(GVHD)を引き起こす。著者らは特異的なHLAアリルの影響を解析し,患者のHLA-C<sup>*</sup>14:02が不適合の場合に重症急性GVHDのリスクが最も高く,ハイリスクのHLA不適合であることを示した。NK細胞KIR2DLリガンド不適合が重症GVHDのリスクとなるのは,患者のHLA-C<sup>*</sup>14:02とドナーのHLA-C<sup>*</sup>15:02の組み合わせの場合であった。次世代シーケンサーを用いたHLA-DPB1遺伝子全領域の解析と多数例のHLA領域のmulti-SNP解析で遺伝子構造を明らかにし,HLA-DPB1不適合移植において注目されてきたT-cell epitope不適合モデルとHLA-DP発現モデルはHLA-DPB1遺伝子の進化学的に異なる領域を反映している可能性を示した。近年の革新技術を用いたHLA研究が移植免疫のメカニズム解明に繋がることが期待される。</p>