- 著者
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中丸 禎子
- 出版者
- 北ヨーロッパ学会
- 雑誌
- 北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.51-60, 2010
明治から戦後までの日本における北欧文学の受容史を、セルマ・ラーゲルレーヴのそれを中心に概説する。 具体的な考察対象は、新劇運動における北欧演劇の受容、女性解放運動・児童教育運動に対するエレン・ケイの影響、無教会グループを中心とした、平和主義としての北欧受容、山室静による北欧文学およびラーゲルレーヴ受容である。この研究の日的は、邦訳作品の傾向・翻訳者の関心のあり方と日本史・日本文学史上の立場を関係付け、北欧のステレオタイプ・イメージの起源を明らかにすることである。