- 著者
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三村 昌司
- 出版者
- 学校法人 三幸学園 東京未来大学
- 雑誌
- 東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, pp.113-123, 2015
<p><b> </b> 本稿は、日本の近世近代移行期研究における「主体」という研究対象について、史学史的考察をもとに、改めてその可能性について考えるものである。戦後歴史学において、「主体」は研究対象として重要な位置を占めながら、1970 年代の構造主義や国民国家論(批判)の登場により、後景に退いていった。 しかし1980 年代に研究の進んだ地域社会論において、実は「主体」という研究視座がそのなかで生きており、1990 年代以降ふたたび「主体」を対象とし、かつ方法論的に改めて考察を深める研究が登場しつつあるとみている。最後に、日本における近代社会形成の理解のために、近世近代移行期における「主体」を方法論とした研究の可能性について言及した。</p>