- 著者
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蔭山 雅洋
中本 浩揮
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.69, pp.209_2, 2018
<p> 本研究は、通常のボールとは大きさの異なるボール(質量は同じ)を投球することによる短期的な適応が、その後の通常ボールでの投球に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。被検者は、高校生の野球投手9名(年齢16.3±0.7歳、身長174.3±4.7cm、体重66.2±4.7kg、野球歴6.8±1.9yr、投手歴4.1±2.2yr)を対象とした。適応期間では、通常用いるボール(基準球)、基準球よりも-10%小さいボール、基準球よりも+10%大きいボール(+10%球)を使用し、各15球投球させた。なお、実験は、各条件の効果が互いに影響しないよう、3日に分けて実施した。適応の評価は、適応前後におけるボール速度およびコントロール誤差(捕手が構えた位置からキャッチした位置までの距離)とした。その結果、+10%球を用いた適応では、適応後のコントロール誤差は適応前よりも有意に減少した(P<0.05)。この結果より、+10%球を使用した短期的な投球適応は、投手のボールコントロールを即時的に向上させることが示唆された。そして、内省報告より、+10%球は回転数や回転軸などの球質を向上させる可能性が示唆された。</p>