著者
細谷 洋子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.55_2, 2018

<p> カポエイラとは、350年ほど前にブラジルで創出されたアフリカ系ブラジル文化固有の格闘技である。これまで報告者は、児童、生徒、学生を対象に、数回のみの体験授業(45分~90分)ならびに正課授業(90分×15回)における、カポエイラを教材とした授業を実践してきた。これらの授業では、知識による理解だけでなく、学習者自身の身体を介した体験的な文化理解を目指した。これまでの実践を振り返ると、授業では、カポエイラにおいて不可欠の民族楽器による演奏や合唱を必ずおこなっており、それによって文化的な文脈の場が再現されていた。そのようなカポエイラ固有の実践形式や、組手中の駆け引きは、学習者間のコミュニケーションの促進に役立つと見受けられた。また、学習者は非日常的な雰囲気の中、「楽しさ」を伴う情動的な活動を体験し、文化としてのカポエイラについて深い理解がもたらされたようであった。しかしながら、教育目的、学習内容・方法、学習者のニーズ等を踏まえた教材化における改良の余地があり、課題も多い。そうしたカポエイラの教材化の現状について報告する。</p>

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