- 著者
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増澤 拓也
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.69, pp.97_2, 2018
<p> バランス能力を向上させる手法として、2点間に張った平らなロープ上でバランス維持するスラックライントレーニング(SL)と、体幹部の堅牢性を高める体幹トレーニング(CT)が、近年注目を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス能力の向上を目的としているが、SLは重心位置を動かすことで積極的に安定点を探る制御方法をとり、CTは重心位置を動かさず支持基底面から逸脱させない制御方法をとるため、制御様式が大きく異なる。本研究の目的は、SLおよびCTが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をSL群、CT群および統制(CO)群に配置し、15分間のトレーニングを週2回のペースで合計8回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、SL 群は片・両脚の安定面と不安定面上それぞれで重心動揺が改善され、CT群は両脚時のみ重心動揺が安定化した。</p>