著者
菊池 雄太 砂川 力也 増澤 拓也
出版者
日本トレーニング指導学会
雑誌
トレーニング指導 (ISSN:24336742)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-11, 2020 (Released:2020-09-11)
参考文献数
26

本研究は、大学ラグビー部に所属する健常な男子大学生18名を対象に、スラックライン上での歩行トレーニングがバランス制御能力に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験参加者を3群(スラックライン群;SL 群、フロント・サイドブリッジ群;FS 群、コントロール群;Cnt 群)に分け、週に2 回のトレーニングを4 週間実施した。トレーニング前後に、重心動揺、筋力および反応ジャンプテストを測定し、各トレーニングセッションの終了直後に、主観的運動強度(RPE)を聴取した。その結果、SL群とFS 群において、トレーニング後に、重心動揺速度が有意に低い値を示した。SL 群およびFS 群の背筋力の変化は認められず、Cnt 群では、トレーニング後に低下する傾向であった。また、主観的運動強度はFS 群に比べSL 群が有意に低い値を示した。このことから、スラックラインを活用したトレーニングを行うことで、スタビライゼーション型の体幹トレーニングと同等にバランス制御能力が向上し、実践者は、トレーニング強度として主観的に小さく感じていることが明らかとなった。
著者
増澤 拓也 吉田 茂
出版者
Japanese Society of Sport Psychology
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.69-84, 2011 (Released:2011-10-09)
参考文献数
16

Sense-control (SC) training of ground reaction force when acquiring cornering skills was investigated. SC training can facilitate internal-standardization in the sense-control of loading and reaction forces in the direction of the resultant vector of inertia and gravity. Conversely, conventional (C) training cannot do so because it is based on external criteria given by instructors. Male participants (n=6) of identical skill levels were equally divided into two groups. In Experiment 1, Group A practiced SC training and Group B repeated C training. In Experiment 2, Group A had no training, such that retention could be assessed, whereas Group B practiced SC training to reconfirm its effects. The relevant skills in both groups were analyzed using the riding time of slalom, inward lean angle of the trunk, riding time on a straight 30m course, and cornering sense scores. The results of Experiment 1 showed significant positive effects of SC training on Group A compared to Group B, as indicated by above measures. The results of Experiment 2 indicated that Group A retained the shorter riding time of slalom, whereas after SC training, Group B showed the same riding time of slalom as Group A. We suggested that SC training facilitates acquiring balancing skills in the trunk-skill system by using internal-criteria as combination of sense-control factors. It is concluded that SC training is more effective for acquisition of the relevant skills than C training.
著者
菊池 雄太 砂川 力也 増澤 拓也
出版者
日本トレーニング指導学会
雑誌
トレーニング指導 (ISSN:24336742)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-11, 2020

本研究は、大学ラグビー部に所属する健常な男子大学生18名を対象に、スラックライン上での歩行トレーニングがバランス制御能力に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験参加者を3群(スラックライン群;SL 群、フロント・サイドブリッジ群;FS 群、コントロール群;Cnt 群)に分け、週に2 回のトレーニングを4 週間実施した。トレーニング前後に、重心動揺、筋力および反応ジャンプテストを測定し、各トレーニングセッションの終了直後に、主観的運動強度(RPE)を聴取した。その結果、SL群とFS 群において、トレーニング後に、重心動揺速度が有意に低い値を示した。SL 群およびFS 群の背筋力の変化は認められず、Cnt 群では、トレーニング後に低下する傾向であった。また、主観的運動強度はFS 群に比べSL 群が有意に低い値を示した。このことから、スラックラインを活用したトレーニングを行うことで、スタビライゼーション型の体幹トレーニングと同等にバランス制御能力が向上し、実践者は、トレーニング強度として主観的に小さく感じていることが明らかとなった。
著者
板谷 厚 増澤 拓也 吉田 雄大
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.151_1, 2016 (Released:2017-02-24)

【目的】本研究は、三人で行う簡単な組体操を実施し、その前後に開眼条件(EO)と閉眼条件(EC)における静止立位動揺を調査することで、立位制御における視覚入力に対する依存性が低下することを検証した。【方法】若年成人女性15名を対象とした。対象者は3人一組で実験に参加した。まず各参加者はEOとECで30秒間の静止立位をそれぞれ2回ずつ実施し、足圧中心(COP)軌跡を記録した(pre)。その後、3人組で行う組体操(ピラミッド、サボテンおよび扇)を、各対象者がすべての役割を経験するよう3回ずつ実施した。休憩の後、再び静止立位を実施した(post)。COPの動揺速度を算出し、これらからロンベルグ率(EC / EO)を求めた。【結果】反復測定分散分析の結果、動揺速度において視覚条件×測定時間の交互作用に有意性が認められ、ECのみpostで低下した(p = .009)。対応のあるt検定の結果、ロンベルグ率はpostでpreより低下した(p = .018)。【結論】組体操は立位制御における視覚入力に対する依存性を低下させ、その他の感覚入力に対する依存性を高めることが示唆される。
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.97_2, 2018

<p> バランス能力を向上させる手法として、2点間に張った平らなロープ上でバランス維持するスラックライントレーニング(SL)と、体幹部の堅牢性を高める体幹トレーニング(CT)が、近年注目を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス能力の向上を目的としているが、SLは重心位置を動かすことで積極的に安定点を探る制御方法をとり、CTは重心位置を動かさず支持基底面から逸脱させない制御方法をとるため、制御様式が大きく異なる。本研究の目的は、SLおよびCTが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をSL群、CT群および統制(CO)群に配置し、15分間のトレーニングを週2回のペースで合計8回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、SL 群は片・両脚の安定面と不安定面上それぞれで重心動揺が改善され、CT群は両脚時のみ重心動揺が安定化した。</p>
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第69回(2018) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.97_2, 2018 (Released:2019-01-18)

バランス能力を向上させる手法として、2点間に張った平らなロープ上でバランス維持するスラックライントレーニング(SL)と、体幹部の堅牢性を高める体幹トレーニング(CT)が、近年注目を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス能力の向上を目的としているが、SLは重心位置を動かすことで積極的に安定点を探る制御方法をとり、CTは重心位置を動かさず支持基底面から逸脱させない制御方法をとるため、制御様式が大きく異なる。本研究の目的は、SLおよびCTが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をSL群、CT群および統制(CO)群に配置し、15分間のトレーニングを週2回のペースで合計8回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、SL 群は片・両脚の安定面と不安定面上それぞれで重心動揺が改善され、CT群は両脚時のみ重心動揺が安定化した。
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.97_2-97_2, 2017

<p> スラックラインと呼ばれる2点間に張った平らなロープ上でバランスをとる綱渡りのようなスポーツが、バランス能力を向上させるトレーニングとして注目されている。また、上部から吊したロープを用い、不安定な環境にて自重を利用して負荷をかけるサスペンショントレーニングが、姿勢安定時に重要である体幹部の堅牢性を高める手法として、関心を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス向上を目的としているが姿勢制御様式は真逆であると考えられる。本研究の目的は、スラックラインおよびサスペンショントレーニングが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をスラックライントレーニング(SL)群とサスペンショントレーニング(SP)群に配置し、30分間のトレーニングを週3回のペースで合計10回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、両群ともに重心動揺が安定した。また、SL群では体幹部を積極的に動かすことで姿勢制御し、SP群では体幹部を動かないように保持することでバランスを安定させる方略を選ぶことが示唆された。</p>
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.97_2, 2017 (Released:2018-02-15)

スラックラインと呼ばれる2点間に張った平らなロープ上でバランスをとる綱渡りのようなスポーツが、バランス能力を向上させるトレーニングとして注目されている。また、上部から吊したロープを用い、不安定な環境にて自重を利用して負荷をかけるサスペンショントレーニングが、姿勢安定時に重要である体幹部の堅牢性を高める手法として、関心を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス向上を目的としているが姿勢制御様式は真逆であると考えられる。本研究の目的は、スラックラインおよびサスペンショントレーニングが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をスラックライントレーニング(SL)群とサスペンショントレーニング(SP)群に配置し、30分間のトレーニングを週3回のペースで合計10回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、両群ともに重心動揺が安定した。また、SL群では体幹部を積極的に動かすことで姿勢制御し、SP群では体幹部を動かないように保持することでバランスを安定させる方略を選ぶことが示唆された。
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.134_1, 2016 (Released:2017-02-24)

近年様々なバランストレーニングが行われているが、その中の1つとしてスラックラインと呼ばれる2点間に張った平たいテープ上でバランスをとる綱渡りのようなスポーツが、バランス能力を向上させるトレーニングとして注目されている。また、姿勢安定には体幹部の堅牢性が重要視されており、体幹部のトレーニングとして自重を用いた不安定環境にて負荷をかけるサスペンショントレーニングに関心が集まっている。本研究の目的は、スラックラインを用いた基底面動揺トレーニングおよびサスペンショントレーニングを用いた体幹トレーニングが姿勢安定性向上に及ぼす影響を明らかにすることである。実験参加者を基底面動揺トレーニング(BT)群と体幹トレーニング(CT)群に配置し、週3回のペースで合計10回のトレーニングを実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。BT群では体幹部を積極的に動かすことで姿勢制御し、CT群では体幹部を動かないように保持することでバランスを安定させることが示唆された。
著者
増澤 拓也
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (体育科学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6187号)