著者
吉田 香奈
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:13440063)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.161-179, 2012

<p> 本稿では,アメリカ連邦政府が実施する学生ローンの延滞・債務不履行問題を検討し,その抑制策の特徴として以下の点を指摘した.すなわち,(1)債務不履行者の多い大学に対し連邦学生支援の利用資格を停止・剥奪するペナルティを実施していること,(2)破産者への学生ローン返還免責の禁止等,日本にはない厳しい回収制度が存在すること,(3)段階型・延長型・所得連動型返還といった返還方法の多様化が図られていること,である.これらの取り組みにより債務不履行率は大幅に減少しており,一定の成果が得られている.ただし,(3)については「返したくても返せない者」をより一層困難な状況に追い込んでおり,セーフティネットの面からみて問題視されている.以上を踏まえ,最後に日本への示唆として3点を述べた.</p><p></p>

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? アメリカにおける政府学生ローンの延滞・債務不履行問題(吉田 香奈),2012 https://t.co/y4ZTSfS4PY

収集済み URL リスト