著者
成田 大起
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_141-1_162, 2016

<p>本稿の目的は, 社会統合における動機づけ問題に対して 「認知的アクセス」 という新たな視点を導入し, それによってA. ホネットの承認関係を媒介とした社会統合がJ. ハーバーマスの法を媒介とした統合に比べ, 普遍的な規範を支えにしながらも社会成員たちを統合の規範的目標へと動機づけることのできる社会統合のあり方として優れていることを示すことにある。規範を実現し不正義を改善するという目標に社会成員がどのように動機づけられるかを説明するという問題は, 現実の社会に焦点を当てる政治理論にとって喫緊の課題である。近年の政治理論は, この問題を専ら社会統合の構想がどの程度文化的な特殊性を取り込むべきかという観点から考察しており, 普遍性/特殊性という問題含みの二文法に陥っている。本稿はドイツの批判理論がイデオロギー批判という文脈で扱ってきた認知をめぐる議論を動機づけ問題に導入した。ハーバーマスの社会統合とホネットの社会統合を比べ, 後者の優位性を示すことを通じて, 本稿は普遍的な規範であっても社会成員がどのようにそれを実現する必要性に認知的にアクセスし, 規範の実現に向けて動機づけられるのかを説明する道筋を示した。</p>

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