著者
尾崎 葵
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.700, 2019

ウメ(<i>Prunus</i> <i>mume</i>)の果実は昔から体に良い食材としてアジア諸国で利用されており,有益な生理活性が数多く知られている.例えば,ジャムや梅肉エキスなどに含まれるムメフラールは,梅を加熱した際に糖とクエン酸が反応して生じる物質であり,血小板凝集抑制作用により血流を改善することから,脳梗塞や心筋梗塞など心血管疾患への予防効果が期待されている.また,梅エキスに含まれるオレアノール酸などのトリテルぺノイドが抗酸化作用や抗炎症作用を持つことも報告されている.本稿では,喫煙によるDNA損傷の修復が期待される梅エキスの新規有用物質の単離とその作用機序解析を行ったAndrewらの研究成果について紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) 忠田吉弘ほか,ヘモレオロジー研究会誌,<b>1</b>, 65-68(1998).<br>2) Kawahara K. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Int</i>. <i>J</i>. <i>Mol</i>. <i>Med</i>., <b>23</b>, 615-620(2009).<br>3) Andrew J. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Sci</i>. <i>Rep</i>., <b>8</b>, 11504(2018).<br>4) Hwang J. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Korean</i> <i>J</i>. <i>Food</i> <i>Sci</i>. <i>Technol</i>., <b>36</b>, 329-332(2004).

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