- 著者
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林 卓史
奈良 隆章
島田 一志
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.248_2, 2019
<p> 本研究では、大学野球リーグ戦において「特徴のある投手」とはどのような投手であるかについて検討した。また、「特徴のある投手」が複数名在籍することが、継投の選択肢に与える影響を検証した。対象は、著者が投手コーチを務めたK大学野球部であり、期間は2018年リーグ戦(春季・秋季)とした。投手を①リリース速度②回転速度③投球腕(左腕)④変化球の割合について基準を設定し、4項目の内、2項目を満たす投手を、「特徴のある投手」とした。リリース速度と回転速度については、練習での投球を、トラッキングシステムを用いて計測し、140km/h、2300rpmを基準とした(林・佐野,2019)。K大学には、2018年春季リーグ戦において、4項目の内2項目以上を満たす投手が7名存在した。同リーグ戦では継投を多用し、チーム防御率はリーグ1位となった。一方、2018年秋季リーグ戦では、2項目以上を常時満たす投手は1名であり、同リーグ戦では、1名の投手に依存し、チーム防御率はリーグ5位となった。このことから、上記の4項目の内2項目を満たす「特徴のある投手」を多く育成することが、継投の選択肢を多様にすることが示唆された。</p>