- 著者
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橋爪 和夫
山地 啓司
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.297_1, 2019
<p> 【目的】本研究は、体育科で学習される運動技術の確かな定着が児童の運動有能感を育むという仮説を検証することである。【方法】2016年度から3年間富山県K小学校に在籍する全児童を調査し3年間の縦断的データを解析した。新体力テストの合計点と岡澤らによる運動有能感の合計点が3年間学年の平均値以下で、かつ、「逆上がりができる・練習すればできる、練習してもできない」という調査に「練習してもできない」と回答し続けた児童を抽出した。小学校教員を志望している大学4年生を1人、抽出した3年生の児童5人と5年生の児童4人の正課体育学習支援者として学校長の許可を得て体育科の授業に参加させた。【結果】体育学習支援者は、抽出児童を専属的に支援するのではなくて、児童全員に対する学習支援者として授業に参画した。そのために抽出児童に対しては、十分な技能獲得の成果をあげるまでには至らなかった。【考察】調査対象者の観察と学習支援の記録から、体力と運動有能感に継続的な悪化傾向を示す児童には、運動学習支援者が必要であることが示唆された。また、体力の向上に関する支援は困難であるが運動有能感を向上させるための支援の可能性が示唆された。</p>