- 著者
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菱田 慶文
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.330_3, 2019
<p> 本研究は、ブラジリアン柔術(以下、BJJ)のグローバリゼーションの実態を解明するものである。BJJは1993年にアメリカで始まったUFCでホイス・グレーシーが活躍したことで世界中に広まるようになった。当初は世界の総合格闘家たちが競技力向上のためにBJJの技術を取り入れていたが、のちにその用途は多方面に広がっていった。例えば、UAEのアブダビ首長国では学校体育として採り入れられているし、日本でも「デカセギ」のコミュニティ形成やフィットネスとして行われている。一方、90年代にはBJJの全伯組織及び世界組織の形成が進み、それまでブラジル国内で道場毎に伝承されていたBJJは競技化によって統一されることになる。</p><p> 本研究では、リオデジャネイロにおける貧困層に普及されたスプービオ柔術、サンパウロにおける柔道家によるBJJの普及、ファベイラ(貧民窟)におけるソーシャルレスキュー(ボランティア)で運営されるBJJ道場、日本においては、日系ブラジル人コミュニティ、プロ総合格闘家の柔術普及などの実態を明らかにする。</p>