著者
安中 進
出版者
日本比較政治学会
雑誌
比較政治研究
巻号頁・発行日
vol.5, pp.19-39, 2019

<p>本研究は政治体制と栄養不足の関係を考察する。本研究は飢饉と異なり学問的蓄積の乏しい栄養不足を対象に、状況が最も深刻だと考えられているサブサハラ・アフリカにおいて、1991年から2014年にいたるTime-Series-Cross-Section(TSCS)データを用いた統計的分析によって、民主主義国家が他の変数を統制した上で民主主義自体の効果で栄養不足の改善に好ましい影響を与えているという分析結果を報告した。これは民主主義の好ましい影響が特に貧しい国々において見られることを意味し、これまで民主主義は貧しい国々では、うまく機能しないとした先行研究とは異なる結果である。また、貧困国のマラウイを対象にした事例分析によって、民主化後の農業を中心とする政策が栄養不足減少に寄与したメカニズムを説明した。</p>

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"サブサハラ・アフリカにおける民主主義国家が、他の変数を統制した上で民主主義自体の効果によって栄養不足人口割合を減少させ""貧しい国々であるからこそ、むしろ効果が表れる栄養不足という問題" →なるほど

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