- 著者
-
遠藤 典子
- 出版者
- 一般社団法人 日本原子力学会
- 雑誌
- 日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.12, pp.792-796, 2015
<p> 日本の原子力損害賠償制度を検討するに際し,2つの視点を設けた。第一に,東京電力福島第一原子力発電所事故における緊急レジームとして,第二に,電力システム改革の進展と整合性のある,国内原子力発電所の過酷事故を想定した普遍的かつ恒久的制度としての検討である。第1回では,上記,第一の視点について述べる。政府は,公的資金援助による損害賠償制度の再構築に迫られると同時に,福島第一発電所事故が引き起こした複合的な社会・経済問題の解決に追われた。そして,従来の原賠法を二層化するかたちで原子力損害賠償支援機構法を制定,諸問題に対する解決策としたことを示す。</p>