著者
矢ケ﨑 太洋 上原 明
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.263-276, 2019

夜は人間の開放感と恐怖の入り混じる時間帯であり,その恐怖は幽霊や妖怪を生み出し,現代でも都市伝説やオカルトという形で存続する。その一方で,これらの都市伝説やオカルトは好奇心の対象として消費されており,ゴーストツアーという形態で顕在化している。本研究は,心霊スポットおよび心霊ツアーを対象に,夜の場所に対する人間の恐怖と,その恐怖に対する好奇心を動機としたツーリズムを分析することで,人間が感じる恐怖と場所との関係性について考察した。心霊スポットは,場所の特性を反映して,恐怖の対象が異なり,その差異は怪談に現れる。日本におけるゴーストツーリズムは,実施企業にとって宣伝・広告の意味を持ち,倫理的な配慮がなされる。心霊スポットの分布と心霊ツアーのコースは一致せず,ツアーでは主に郊外の心霊スポットを消費している。

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【備忘】矢ケ﨑太・上原明(2019)「『夜』に対する人間の恐怖と好奇心:日本における心霊スポットとゴーストツーリズムの事例」, 『地理空間』12(3), pp.263-276 https://t.co/o54ai4FPvC

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