- 著者
-
豊田 秀樹
池原 一哉
吉田 健一
- 出版者
- 日本分類学会
- 雑誌
- データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.1, pp.57-77, 2015
<p> 本研究の目的は,3 次までの積率を明示的にかつ独立に特定できる確率分布を構成することである.非対称正規分布の母数に変換を施して,平均・分散・歪度を直接パラメタライズできるように新たな確率密度関数を構成する.3 次までの積率を独立に特定することで,(1) 統計モデルの一部として組み込んだ際に,直接歪度を推定すること,(2) 潜在変数(因子)の歪度を直接推定すること,(3) 群間で歪度を比較することが可能となる.非対称正規分布と<i><font face="roman">χ</font></i><sup>2</sup> 分布に関するシミュレーション研究により,母数の推定における妥当性が確認された.また,歪度が観察されやすいブランド価値データに提案手法を適用した結果,集団間での3 次までの積率の違いを細かく比較できることが示された.母数推定には,マルコフ連鎖モンテカルロ法によるベイズ推定を用い,サンプリング手法にはハミルトニアンモンテカルロ法を利用した.</p>