著者
中川 慧 今村 光良 吉田 健一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2D11, 2017 (Released:2018-07-30)

株価を予測するために様々な方法が提案されている.本研究では,株価予測のため,現在の株価の変動が過去のいつの時点に似ているかという価格変動パターンを抽出する.抽出にあたっては,日次の株価変動を月初の値との比で表現した月間の株価変動に対してDTWを適用するIndexation DTW(IDTW)による手法を提案する.抽出された変動パターンの将来値が予測に有効な特徴量であることを,日本市場を例に示す.
著者
牛山 素行 今村 文彦 片田 敏孝 吉田 健一
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.150-158, 2004 (Released:2004-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
4 8

近年急速に整備されつつある豪雨防災情報の実災害時における効果を評価する観点から,現地調査を行った.調査は2007年7月に台風6号および前線によって,最近30年で最大規模の被害(浸水家屋約700棟など)を生じた岩手県東山町・川崎村を対象とし,水文データの収集,現地でのヒアリング,アンケート調査(有効回答700)などを行った.災害時に,インターネットなどのリアルタイム雨量・水位情報を参照した回答者は5%程度であり,24%の回答者はシステムの存在を知っていたが利用していなかった.川崎村では74%の回答者が,避難などの判断に際して「雨量・水位などの情報を参考にした」と答えた.同村では防災行政無線を通じて国土交通省観測の水位情報などをリアルタイムに伝達しており,この情報が参考にされたものと思われる.車の移動,畳上げなどの家財保全行動の成功・失敗と,雨量・水位情報の取得成功・失敗の相関を見たところ,情報取得に成功した回答者は,家財保全行動に失敗した率が低いという関係が認められた.リアルタイム情報に対する関心自体は高く,情報が的確に伝われば,避災行動の成功につながる可能性が示唆された.しかし,災害時の情報伝達手段としてインターネット等は一般化しておらず,最新技術に過度な依存をせず,複数の情報伝達手段を活用することが効果的と思われる.
著者
高木 秀雄 吉田 健一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.128, no.1, pp.131-141, 2022-08-17 (Released:2022-08-17)
参考文献数
32

ジオパーク秩父は1市4町(秩父市,横瀬町,皆野町,長瀞町,小鹿野町)をエリアとしており,2011年に国内で15番目の日本ジオパークに認定された.ジオパークのメインテーマは「大地の守人を育むジオ学習の聖地」であり,東京から比較的近いこともあり明治時代より多くの研究者がこの地を訪れて,近代地質学を発展させた地学の歴史が盛り込まれているとともに,宮沢賢治の足跡を辿ることもできる.また,秩父札所34ヶ所観音霊場などに代表される寺社には,人々が特異な地形に神秘を感じ,大切に守り伝えてきた特別な場所が数多くあり,ジオパーク秩父の見どころともなっている.公開されているジオサイトも札所の数と同じ34ヶ所に絞られており,そのほか文化・歴史サイト,生態サイト,眺望サイトが選定されている.この巡検では,関東を代表する三波川帯,秩父帯(メランジュ),および中新統秩父盆地層群の代表的なジオサイトを見学するとともに,盆地に広がる中新統と,それを取り巻く山々を構成する基盤岩の地形,および両者の境界をなす不整合と断層を,札所と和銅遺跡で見学する.ジオと文化・歴史のつながりを感じることができるコースでもある.
著者
吉田 健一
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学稲盛アカデミー研究紀要 (ISSN:18846009)
巻号頁・発行日
no.3, pp.133-211, 2012-03

はじめに (1)鹿児島市薬師町に出生(2)稲盛家のルーツと西田学区の歴史(3)最初の宗教体験―かくれ念仏との邂逅―(4)鹿児島市立西田小学校時代(5)郷中教育について(6)薩摩の三大行事と示現流(7)鹿児島一中の受験不合格と鹿児島中学への進学(8)病気になり、谷口雅春『生命の實相』と出会う(9)鹿児島の戦災と戦後の稲盛家(10)紙袋の行商経験(11)学制改革時代の様子と新制玉龍高校時代(12)鹿児島大学工学部に入学(13)恩師島田先生との出会い―入来粘土の研究を行う― おわりに
著者
寺田 忠史 藤本 勝彦 野村 誠 山下 純一 / 小武内 尚 武田 節夫 南 慶典 吉田 健一郎 山口 秀夫 山田 雄次 Yuji YAMADA
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.907-912, 1993-05-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
58
被引用文献数
6 10

1-β-Alkyl derivatives of 1-desoxypodophyllotoxin were synthesized, and their cytotoxicity and inhibitory effects on DNA topoisomerase II (Topo-II) and tubulin polymerization were examined.The reaction of epipodophyllotoxin derivatives (1a-c) with trimethylallylsilane in the presence of boron trifluoride etherate gave 1-β-allylated compounds (2a-c). The regiochemistry and the β-stereochemistry of the 1-allyl group were confirmed by comparison of the 13C-NMR spectra and NOE's (%) of 2c, podophyllotoxin (POD) and epipodophyllotoxin (1b). 1-β-Alkyl-1-desoxypodophyllotoxin derivatives (3-8) were prepared from 2b.None of the tested compounds (3-8) showed any inhibitory effect on Topo-II. 1-β-Propyl compound (3) and its 4'-demethyl compound (4) inhibited tubulin polymerization and the cytotoxicities of these compounds were equal to that of VP-16. 1-β-(2, 3-Dihydroxypropyl) compounds (5 and 8) and 1-β-(2, 3-diacetoxypropyl) compounds (6 and 7)showed no inhibitory effect on tubulin polymerization. Although 5 did not inhibit either Topo-II activity or tubulin polymerization, it showed a high cytotoxicity against sarcoma 180.
著者
真鍋 友則 中川 慧 吉田 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ブランド価値や顧客満足度が B2C 企業のキャッシュ・フローや株主価値に影響することはこれまで示されてきた. 我々は本研究において, 同様の関係が B2B 企業においても成り立つかどうかを調べた. そのために, B2B 企業のブランド指標として, 名刺交換ネットワークを利用して作成された大規模アンケート調査を利用した. この新たな企業ブランド指標は, その企業の従業員と人的ネットワークを有する人々に限定した調査に基づいて作成されており, 一般的な認知の低い B2B 企業に対するブランド評価を可能にしたものである. 我々は, この企業ブランド指標が株主価値と正の関連性があることを示した. この結果は, この新規 B2B 企業ブランド指標が無形資産を反映していること, また, B2B 企業においてもブランド価値が株主価値と関連することを新たに示すものである.
著者
中川 慧 今村 光良 吉田 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

時系列およびクロスセクションの属性を持つデータセットに対する時系列勾配ブースティング木を提案する。我々の時系列勾配ブースティング木は、内部ノードに時系列およびクロスセクションの属性を持つ弱学習器をもち、時系列間の非類似度に基づく基準例分割テストまたは通常の不純度に基づく分割を行う。時系列間の非類似性は、Dynamic Time Warping(DTW)または金融時系列に対してはIndexing DTWによって定義される。TOPIXを対象とした株価予測の結果は、提案手法は収益性、精度ともに優れていることが確認できた。
著者
寺田 忠史 山田 雄次 野村 誠 藤本 勝彦 野村 誠 山下 純一 / 小武内 尚 武田 節夫 南 慶典 吉田 健一郎 山口 秀夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.907-912, 1993
被引用文献数
10

1-&beta;-Alkyl derivatives of 1-desoxypodophyllotoxin were synthesized, and their cytotoxicity and inhibitory effects on DNA topoisomerase II (Topo-II) and tubulin polymerization were examined.The reaction of epipodophyllotoxin derivatives (1a-c) with trimethylallylsilane in the presence of boron trifluoride etherate gave 1-&beta;-allylated compounds (2a-c). The regiochemistry and the &beta;-stereochemistry of the 1-allyl group were confirmed by comparison of the <SUP>13</SUP>C-NMR spectra and NOE's (%) of 2c, podophyllotoxin (POD) and epipodophyllotoxin (1b). 1-&beta;-Alkyl-1-desoxypodophyllotoxin derivatives (3-8) were prepared from 2b.None of the tested compounds (3-8) showed any inhibitory effect on Topo-II. 1-&beta;-Propyl compound (3) and its 4'-demethyl compound (4) inhibited tubulin polymerization and the cytotoxicities of these compounds were equal to that of VP-16. 1-&beta;-(2, 3-Dihydroxypropyl) compounds (5 and 8) and 1-&beta;-(2, 3-diacetoxypropyl) compounds (6 and 7)showed no inhibitory effect on tubulin polymerization. Although 5 did not inhibit either Topo-II activity or tubulin polymerization, it showed a high cytotoxicity against sarcoma 180.
著者
豊田 秀樹 池原 一哉 吉田 健一
出版者
日本分類学会
雑誌
データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-77, 2015-03-01 (Released:2020-04-02)
参考文献数
19

本研究の目的は,3 次までの積率を明示的にかつ独立に特定できる確率分布を構成することである.非対称正規分布の母数に変換を施して,平均・分散・歪度を直接パラメタライズできるように新たな確率密度関数を構成する.3 次までの積率を独立に特定することで,(1) 統計モデルの一部として組み込んだ際に,直接歪度を推定すること,(2) 潜在変数(因子)の歪度を直接推定すること,(3) 群間で歪度を比較することが可能となる.非対称正規分布とχ2 分布に関するシミュレーション研究により,母数の推定における妥当性が確認された.また,歪度が観察されやすいブランド価値データに提案手法を適用した結果,集団間での3 次までの積率の違いを細かく比較できることが示された.母数推定には,マルコフ連鎖モンテカルロ法によるベイズ推定を用い,サンプリング手法にはハミルトニアンモンテカルロ法を利用した.
著者
満崎 克彦 福永 久美 采田 憲昭 菅 守隆 藤本 貴久 工藤 康一 吉田 健一 多田 修治 須古 博信 浦田 譲治 神尾 多喜浩
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.378-386, 2008 (Released:2012-03-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

胃内視鏡検診にて発見された十二指腸腺腫(乳頭部を除く)20例21病変の臨床病理学的所見について検討した。発見頻度は0.027%で, 男女比14:6, 平均年齢51.0歳(33歳から70歳), 十二指腸下行部に多く(94.4%), 乳頭部対側に多かった(64.7%)。平均径7.4mm(3mmから20mm)と比較的小さく, IIa型9病変, IIa+IIc型5病変, IIc型3病変, Is型2病変, Ip型2病変で, 扁平な隆起性病変あるいは浅い陥凹性病変が多かった。色調は褪色調15病変(71.4%), 正色調2病変(9.5%), 発赤調4病変(19.0%)で, 褪色調病変が多かった。組織型は管状腺腫18病変, 管状絨毛腺腫3病変であった。14例が内視鏡切除され, 6例は経過観察された。偶然発見される十二指腸腺腫は, 頻度こそ少ないものの胃内視鏡検診にて遭遇し得る十二指腸腫瘍性病変の一つである。十二指腸下行部に褪色調の扁平隆起性病変あるいは浅い陥凹性病変が認められた場合, 十二指腸腺腫を念頭におく必要がある。