著者
清水 武
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.114-129, 2004

本稿は,遊びの心理学的研究と理論が抱える現在の行き詰まり的状況を打破するために,遊びについて改めて問い直し,理解することを目的とした。第一に,いかに問いを立て取り組むべきかが整理され,なぜ人は遊ぶのかという問いに答えるのではなく,遊びとは何かを問う必要性が指摘された。極端な主観主義や客観主義に基づく枠組みの限界が示され,ひとつの方法として構造主義が採用された。 第二に,構造主義の立場から,Piaget の遊び論とその問題点が取りあげられ,Piaget 以後の議論とあわせることで,新たな解釈枠組みが構造モデルとして提案された。第三に,導かれた構造モデルは,遊びと探索が互いに類似し,また同時に相違しているという謎を解明し,さらに質的研究にも応用できる可能性が示唆され,遊びとは何かを明らかにする意義が改めて論じられた。最後に,これからの課題についての議論がなされた。

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外部データベース (DOI)

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●清水武「遊びの構造と存在論的解釈」『質的心理学研究』3(1)、2004年。https://t.co/eu2QNTEeJF ●阪本英二「存在論的解釈についての対話:清水論文(2004)に対するコメントとして」『質的心理学研究』5(1)、2006年。https://t.co/VyT20u3xbk

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