著者
石井 夏生利
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策レビュー
巻号頁・発行日
vol.4, pp.E17-E45, 2012

本稿の目的は、個人情報が商品価値を伴ってネットワークを流通しているという実態を受け、個人情報の「財産権」の可能性を理論的に考察することにある。この問題は、ライフログをめぐる種々の論点の中でも原理的な性質を有する。検討に際しては、アメリカにおける個人情報の財産権論について、歴史的発展過程から、「第1期 伝統的プライバシー権の発展期(1890年~1960年頃)」、「第2期 現代的プライバシー権・法と経済学の提唱期(1960年代後半~1980年頃)」、「第3期 情報プライバシーとサイバースペース論議の発展期(1990年代後半~2000年代半ば頃)」に区分し、各時代の議論状況を検討した。その上で、適宜日本の文献を引用しつつ、筆者なりの視点から財産権論に対する問題提起を行い、自らの見解を明らかにした。

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"プライバシー・個人情報の財産権論について""プライバシー・個人情報の財産権論は、通説的見解の問題をあぶり出すという役割は果たすものの、固有の意義を見いだすことは困難であるといわざるを得ない" →という

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