著者
曽我部 哲人 牧 紀男
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1107-1112, 2020

<p>兵庫県神戸市は1995年、阪神・淡路大震災により甚大な被害を受けた。その一方で、1990年代後半に日本の都心区では「都心回帰」と呼ばれる人口増加が起こり、その人口増加には高層集合住宅の建設が影響を与えた。このことから、1995年以降の神戸市の人口動態はそれら2つの出来事が影響を与えていると考えられる。以上の背景のもと、本研究では1) 被災後の神戸市被害甚大地域の長期的人口動態の概略、2) 住宅被害と超高層集合住宅開発の関係性、3) 超高層マンション開発による被災後の都心区である中央区の人口動態への影響を示す。本研究は、1km×1kmメッシュ単位で、住宅被害と人口増減、人口構造変化を集計し、それらと超高層マンション立地との相関を評価する。本研究は都心区における長期的な人口増加と人口更新があること、地域の震災被害や超高層マンション建設はそれらの傾向を促進したことを示した。このことは、震災復興と都心回帰は相互に影響を与えたと考えられ、震災復興は地域の社会的状況を踏まえ、計画を行う必要があると示唆された。</p>

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https://t.co/ohbgvXt3aK 曽我部哲人,牧紀男(2020)「阪神・淡路大震災被災地域における長期的人口動態と超高層マンションによる都心回帰との関係性の分析」。 2005年以降の神戸市で人口増加が続いているのは東灘区、灘区、中央区であるが中央区以外は鈍化している。

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