著者
田村 哲樹
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.2_289-2_311, 2019

<p>現代民主主義理論には、様々な理論潮流が存在する。しかし、そうした様々な試みも、「自由民主主義」 を前提とし、その深化ないし徹底化を目指すという点では共通しているのではないだろうか。このような疑問に対して、本稿は、現代民主主義理論と自由民主主義との関係を再検討し、両者の関係が 「自由民主主義の深化・徹底化」 にとどまるものではないことを明らかにしようとする。その際、本稿は、自由民主主義における 「自由(リベラル)」 の多義性に注目する。すなわち、本稿は自由民主主義の 「自由 (リベラル)」 には少なくとも、資本主義、競争的な政党システム、公私二元論、そして立憲主義の4つの意味があり、かつ、それぞれの意味での 「自由 (リベラル)」 を乗り越えようとする現代民主主義理論が存在することを明らかにする。</p>

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